日本IBM元従業員が業績不良を理由とする解雇は不当として提訴
2012/10/17 労務法務, 労働法全般, メーカー

事案の概要
日本IBMの元従業員3名が、具体的な理由を示さずに「業績不良」として一方的に解雇したのは不当として、解雇の無効や賃金の支払いを求めて東京地裁に提訴した。
提訴した3名は、40歳から53歳の男性で、営業支援業務等に従事していたが、今年7から9月に上司に突然呼び出され「業績の低い状態が続き、改善が無い」として、1週間後の解雇通知を受けた。そのうち2名は、1週間以内に自主的な退職の意思を示せば、退職金が加算されると提案されたが、断ったという。また、提訴された3名のほか少なくとも8名が同様の解雇通知を受け、その多くが自主退職を余儀なくされたという。
日本IBMの就業規則には「業績不良」の場合に解雇できると定められており、この規定に則して解雇通知がなされたが、元従業員3名は「具体的にどう成績が悪かったのか示されていない」と主張している。
コメント
ブルームバーグの元記者が「業績改善プラン」(PIP=パフォーマンス・インプルーブメント・プラン)を理由とする解雇は不当として提訴した事案で、東京地裁が今月5日、元記者の主張を認めて解雇を無効とする判決を言い渡したばかりである。
日本IBMでも毎年一定数の従業員に対してPIPを実施しているという所属労組による指摘もあり、本件もブルームバーグ元記者の事案と類似していると言ってよく、元従業員3名はブルームバーク元記者に関する解雇無効判決に触発されて提訴に踏み切った可能性は高い。
今後は、解雇理由に合理性が認められるかが争われることになると考えられるが、就業規則に定めがあるとはいえ単なる「業績不良」が合理的な解雇理由と言えるのか、元従業員3名についてそもそも業績不良の事実が認められるかといった点が注目される。
関連記事
<ブルームバーグ元記者>「能力不足」による解雇無効 東京地裁 (10月9日付法務ニュース)
関連コンテンツ
新着情報
- ニュース
- 公取委が「ポコチャ」のライバー事務所に注意、独禁法が禁ずる「取引妨害」とは2025.12.10
- NEW
- ライブ配信アプリ「ポコチャ」で配信する「ライバー」が所属する大手事務所4社が、退社したライバー...
- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード
- セミナー
森田 芳玄 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】IPOを見据えた内部調査・第三者委員会活用のポイント
- 終了
- 2025/05/21
- 12:00~12:45
- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 境 孝也弁護士
- さかい総合法律事務所
- 〒105-0004
東京都港区新橋3-9-10 天翔新橋ビル6階
- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...
- 弁護士

- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間










