業務と自殺に因果関係あり―うつ病と過重時間外労働
2012/10/04 労務法務, 労働法全般, その他

事案の概要
山梨赤十字病院(山梨県富士河口湖町)の介護職員、小松重樹さん(当時43)が自殺したのは長時間労働などによるうつ病が原因として、病院を運営する日本赤十字社(東京)に遺族が約8900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、甲府地裁は3日までに、約7千万円の支払いを命じた。
林正宏裁判長は、自殺直前1カ月の時間外労働が約166時間あったと認定した上で「過重な時間外労働や精神的負荷が重なりうつ病を発症したと考えられ、業務と自殺に因果関係が認められる」と指摘した。
病院側は「うつ病を発症していたとしても予見できなかった」と主張していたが、判決は「心身の健康に配慮し、支援体制を整える注意義務を怠った」と認定した。
コメント
懸命に働いた結果、自殺にまで追い込まれた方の心境はどのようなものだったのだろうか。日本においては勤勉に働くことが美徳とされ、時間外労働も辞さずに働く人が企業では重宝されている。いわゆるサービス残業という名の時間外労働がさも当然のように行われている企業もあるだろう。
しかし、それは企業が社員の勤務時間の管理把握を怠っているともいえ、そのツケは結局企業自身の信用や利益の損失となって返ってくることになる。企業は、勤務時間内での効率的な仕事の推奨を考えるべきであろう。
関連サイト
関連コンテンツ
新着情報

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード

- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード

- ニュース
- 網戸のひもで死亡、業者側の賠償が確定/製造物責任について2025.6.18
- NEW
- 網戸のひもが首に引っかかり女児(当時6歳)が死亡した事故をめぐり、遺族が建材大手「YKKAP」...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- セミナー
殿村 桂司 氏(長島・大野・常松法律事務所 パートナー)
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【アーカイブ配信】24年日経弁護士ランキング「AI・テック・データ」部門1位の殿村氏が解説 AIに関する法規制の最新情報
- 終了
- 2025/05/23
- 23:59~23:59

- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階
- 弁護士
- 松田 康隆弁護士
- ロジットパートナーズ法律会計事務所
- 〒141-0031
東京都品川区西五反田1-30-2ウィン五反田ビル2階