配転無効確定のオリンパス社員「改善ない」新たに会社を提訴
2012/09/04 労務法務, 労働法全般, メーカー

事案の概要
精密機器大手「オリンパス」の社員浜田正晴さん(51)が3日、社内のコンプライアンス(法令遵守)窓口に上司の行為を通報した後の配置転換が裁判で無効と認められたのに、その後も処遇が改善されないとして、同社に慰謝料など1500万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。
浜田さんは2007年、上司らが重要な取引先の社員を引き抜こうとしていることを知り、社内のコンプライアンス窓口に通報。その後、通報内容が上司に伝わり別の部署に配転された。
配置転換をめぐる訴訟では、ニ審の東京高裁が「内部通報に反感を抱いた上司が必要のない配転命令をした」と認定し、配転を無効とした上で220万円の賠償を命じる逆転勝訴判決を言い渡し、今年6月に最高裁で確定した。
浜田さんはコンプライアンス関係の部署を希望しているが、子会社への転籍や出向を提示するオリンパスとの間で協議が進まず、判決が無効とした配転先のままで何も仕事がない状態という。
オリンパスは「本人と調整の場を持っているが、合意に至っていないのは事実。提訴は残念だ」とコメントしている。
コメント
オリンパスは、旧経営陣による粉飾決算事件などで財務が悪化し、経営の立て直しに向けて、国内の正社員100人程度を対象に希望退職を募ると発表している。また、支援先選びにはソニー、富士フイルムホールディングスに加え、新たに医療機器大手のテルモが名乗り出たため、オリンパスが支援先を決めあぐねるという展開に陥っている。
経営を立て直し信頼を回復する第一歩は、裁判所の判断に従った企業体質の改善ではないだろうか。
関連コンテンツ
新着情報

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード

- まとめ
- 改正障害者差別解消法が施行、事業者に合理的配慮の提供義務2024.4.3
- 障害者差別解消法が改正され、4月1日に施行されました。これにより、事業者による障害のある人への...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- ニュース
- 虚偽報告で佐賀市の建設会社が書類送検、労災かくしについて2025.8.12
- NEW
- 労働災害で虚偽の報告をしたとして佐賀労働基準監督署が25日、佐賀市内の建設会社とその代表取締役...
- 弁護士
- 境 孝也弁護士
- さかい総合法律事務所
- 〒105-0004
東京都港区新橋3-9-10 天翔新橋ビル6階

- セミナー
殿村 桂司 氏(長島・大野・常松法律事務所 パートナー)
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【アーカイブ配信】24年日経弁護士ランキング「AI・テック・データ」部門1位の殿村氏が解説 AIに関する法規制の最新情報
- 終了
- 2025/05/23
- 23:59~23:59