ミャンマー:経済改革が順調に行けば、2030年までに一人当たりGDPが3倍になる見通し(アジア開発銀行リポート)
2012/08/22 海外進出, 外国法, その他

概要
アジア開発銀行(ADB)は、20日に発表した報告書の中で、ミャンマーの経済改革が順調に推移すれば、国内総生産(GDP)成長率が7~8%に達するとの見通しを明らかにした。また、2030年までに1人当たりGDPが現在と比較して3倍の2000ドル以上になり、中所得国に移行するとの見通しを立てている。報告書によれば、昨年の経済改革以降、GDP成長率は順調に推移し、12年は6%、13年は6.3%の伸びを予測しているほか、今後も最大で年8%の高成長が可能という。
中国(9.1%、2011年)やインド(6.8%、同)と同程度の成長率を見通すことができるのは、タイに匹敵する6200万人の人口、豊富な天然資源(石油、天然ガス)の存在や、中国やインドに隣接するなど地理的優位性を有するためだ。ADB副総裁は「成長可能性は高く、アジアにおける次代の星になりうる」と述べた。
ミャンマーでは、軍事政権による経済政策の失敗や欧米による経済制裁による投資冷え込みが経済成長を阻害してきたが、昨年3月の政権移管以降、政府が進めてきた経済制裁緩和で外国企業の進出が急増している。また、日本の財務省がミャンマー中央銀行との間で資本市場支援育成の覚書を締結するなど、資本主義経済の波に乗る動きはこのまま続くと考えられる。
コメント
しかし、以上の見通しは、すべて「経済改革がうまくいけば」の話である。
ミャンマーには課題が山積みだ。二重為替レートの存在など為替制度が不安定であり、また、銀行制度不備、貧弱なインフラも進出する外国企業にとって課題である。
これらの課題を乗り越えて、周辺諸国の発展から取り残されてきたミャンマーが経済発展を遂げることを期待する。
★★★
なお、長らく続いた軍事政権下での言論統制が問題となっていたが、外国からの投資を呼び込むため、民主化の動きも加速している。
ミャンマー情報省は20日、新聞などを発行前に検閲してきた制度を廃止すると発表した。ただし、同時に、「報道すべきでない内容のリスト」も配布し、この中には「国家や政府を批判する記事」が含まれるなど、十分な言論の自由が保障されていないという批判もある。
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