戦争の責任を問う―沖縄戦で負傷の住民ら、国に賠償・謝罪請求―
2012/08/15 訴訟対応, 民事訴訟法, その他
概要
―戦争の傷は癒えることはない。
67年前に起きた沖縄の地上戦で負傷した住民や遺族ら40人が、国に総額4億4千万円の損害賠償と謝罪を求め、那覇地裁に15日提訴した。沖縄戦をめぐってはこれが初めての訴訟となる。
沖縄では1945年3月末から激しい地上戦があり、約15万人の県民が亡くなった。 原告は、いずれも県内に住む60~90歳代で、地上戦でけがをした人、遺族や戦争孤児、伊江島であった集団自決で生き残った人など様々だ。 訴状で原告らは、当時の国や旧日本軍が住居近くに陣地をかまえて島を要塞化する一方で、国際法で認められていた非武装地帯の設置を怠り、多大な住民被害をもたらしたと指摘。国民の保護を怠ったとして、国の責任を追及している。
さらに原告らは法の不平等も指摘する。戦後につくられた戦傷病者戦没者遺族等援護法が軍人・軍属らの救済を図る一方、民間の被害者を対象にしていないのは不平等だとして、1人あたり1100万円の損害賠償を求めた。同法は、軍の命令で弾薬や食糧を運んだり、軍に壕を提供したりした住民を「戦闘協力者」として救済する措置をとったが、40人の原告はいずれも対象から漏れている。
戦争被害をめぐっては、国はこれまでの訴訟等で「国民は戦争の損害を等しく我慢しなければならない」とする受忍論を主張してきたが、原告らは「沖縄県民の被害は質量において深刻で、到底受容できない特別な犠牲」と主張。原告団長の野里さん(76)は「沖縄戦で苦しんだ多くの県民のために、今まで被害を放置してきた国に責任を問いただしたい」と語った。
コメント
戦争は多くの人の命を奪い、そして生き残った人々にも心身ともに大きな傷を残すものである。
このように、より被害者となりやすい民間人が救済されないという法の不平等があること自体とても遺憾に思う。
賠償が認められることによっても原告らの傷がいえることはないと思うが、次の世代のため二度と戦争を起こさないためにも国の責任を問うということは、社会的意義を伴うものであると考える。
関連コンテンツ
新着情報
- ニュース
- 不倫でウエルシアHD社長が辞任/役職員の不倫発覚時の対応策2024.4.26
- NEW
- 女性との不倫判明を受けて、4月17日、ウエルシアホールディングス株式会社は松本忠久社長の辞任を...
- セミナー
- 【リアル】連続受講(全6回)-法務担当者向け 法務基礎シリーズ-
- 2024/05/09
- 15:30~17:00
- 解説動画
- 岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- まとめ
- 株主提案の手続きと対応 まとめ2024.4.10
- 今年もまもなく定時株主総会の季節がやってきます。多くの企業にとってこの定時株主総会を問題無く無...
- 業務効率化
- Araxis Merge 資料請求ページ
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- 弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 中島 星弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号