野村HD増資漏えい問題、社内調査結果を公表
2012/07/02 コンプライアンス, 民法・商法, 金融・証券・保険

概要
野村ホールディングスは29日午後、旧中央三井アセット信託銀行等による増資インサイダー問題への関与について社内調査報告書を発表した。
調査報告書における問題点の指摘は大まかに二つに分かれる。一つは現場レベルでの営業におけるコンプライアンスの欠如、もう一つは管理部門における運用体制の機能不全である。後者においては特に「証券会社としての信頼性に疑義を生じさせるような重大な制度上の欠陥」との厳しい指摘が為されている。しかし、そうした指摘とは裏腹に、経営陣の事後責任については減給処分(グループCEOが6ヶ月間の報酬50%カット、COOが5ヶ月間の報酬50%カット)にとどまっており、経営責任が明確化されたとは言い難い内容である。
27日に都内で開催された株主総会では、低迷する株価や配当の減少、更に役員報酬が大幅に増額となった点について株主から反発の声が上がっていたが、その2日後というタイミングでの調査結果公表についても株主や市場全体の不信感の醸成が懸念される。
野村HDは3月時点で米格付け会社ムーディーズの長期債務格付けにおいて投資適格水準では最も低い「Baa3」に引き下げられているなど、既に国内外から厳しい目線が注がれており、今後の信頼回復に向けて具体的な再発防止策の策定が注目される。
コメント
野村HDは今後、情報管理体制の再構築だけでなく、社内全体での法令順守意識の向上を実現するための教育システムの確立など、包括的かつ具体的な対策の実行が求められる。しかし、残念ながら今回の発表に含まれる再発防止策は抽象的な枠組みレベルに留まっていると言わざるを得ない。証券最大手としての責任を果たすためには、今後更に具体的な方策を速やかに策定し、公表していくことが望まれる。
【関連リンク】
証券取引等監視委員会による勧告事案に関する調査委員会の報告および当社としての改善策について(野村ホールディングス)
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