アコーディアゴルフ株主総会、2日間開催の末に会社側勝利も…
2012/06/29 商事法務, 総会対応, 会社法, その他
概要
ゴルフ場運営大手のアコーディアゴルフが28日に開催した株主総会は、人事案件を巡る会社側と一部株主グループ「株主委員会」との間の委任状合戦(プロキシ・ファイト)にまでもつれ込む激しい争いを受け、2日間に及ぶ異例の事態となった。29日に会社提案の取締役候補9人全員が承認される形で総会はひとまず終了したが、「株主委員会」は総会運営の不公正を理由に法的措置を講じる声明を発表しており、抗争の決着はまだまだ先のようだ。
「株主委員会」はオリンピア(東京都台東区)を中心に構成される。同社はパチンコ・パチスロ大手である平和の完全子会社である一方、アコーディアゴルフの最大の競合先であるPGMホールディングスも同様に平和の子会社である。即ち、本件の対立は表向きこそ竹生道巨(ちくぶみちひろ)前社長の私的流用に関するコンプライアンス問題に端を発する人事抗争であるが、その背景にはアコーディアゴルフとPGMホールディングスの統合計画を巡る争いが存在していた。
28日の株主総会においては剰余金配当に関する議案のみが承認され、役員選任に関する議案の決議については質疑や投票は終了したものの、委任状の重複などを慎重に集計すべきことを理由に29日午前10時に発表することとされた。「株主委員会」は総会運営が著しく不公正であることの理由として、こうした株主総会が2日間に及んだこと自体に加え、総会の場で議決権個数等の告知の不存在、集計作業への「株主委員会」側代理人弁護士の立会い拒否、総会における質疑の一方的打切り等を指摘している。
コメント
本件決議については機関投資家向け議決権行使助言会社の見解も分かれており、その決着が注目されていた。株主総会での決議は会社側が勝利する結果となったが、今後「株主委員会」側から株主総会決議取消訴訟が提起されれば、両者の争いは法廷に持ち込まれることとなる。事態の推移に注目したい。
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