特許トラブル対策まとめ
2018/09/07   知財・ライセンス, 特許法

1.はじめに

 IOT(あらゆるモノがインターネットにつながる)時代において、特許をめぐるトラブルが急増することが懸念されています。
そこで、特許をめぐるトラブルを回避するために、どのような対策をすべきかについて述べていきます。

 変わる特許紛争の構図 

 
2.IOTおよび特許とは
 (1)IOTとは
  「モノのインターネット」(Internet of Things)のことを指しています。
  様々なモノがインターネットに接続され、情報交換することにより、相互に制御する仕組みです。(出典:ウィキペディア)
 (2)特許とは
  定義:知的財産権の1つで、産業の発達の目的のため、無体物である発明を、法的に保護する制度のことを言います(特許法1条参照)。
  知的財産権     
  発明
  保護範囲:「自然法則を利用した」「技術的思想の創作」「高度なもの」に限られるため、例えば自然法則の利用ではない、金融保険制 度などの人為的な取り決めや、計算方法・暗号などは範囲外です。
  また、技術的思想の創作ではない、単なる発見そのもの(万有引力の法則)も、対象外です。
 技術的思想の創作であっても、高度でないものも、対象外である。
  特許法の保護対象

3 IoT時代において、特許を巡るトラブルが起きやすい理由

 IoTは直訳して「モノのインターネット」ということで、物理世界のデバイス・ハードウェアをICTソフトウェアと連携させることで、新たな価値を生み出そうとするコンセプトですが、そこでは、以下のような状況が生じてきます。
・ソフトとハードを連携させるので、そこに独自の工夫(新規性・進歩性)があれば特許化が可能。
・いわゆるIT系企業だけでなく、製造や物流など他業種からもIoTビジネスへの参入が増える。
・特に製造業では、ノウハウを特許化するのは当然という文化があるので、IoT関連でも当然特許を取得する。
・IoTはいま注目の分野なので、特許をもつ権利者からも目をつけられやすい。
・ソフトだけならブラックボックスで見えなかった手法が、ハードという「外から見える」要素が加わることで、特許侵害を発見されやすい。
 例えば、ソフト開発会社がユーザ企業に言われるがままに、無自覚にIoTシステムを開発した結果、後でそれが他社の特許侵害となっているというケースなどです。
http://terada-h.hatenablog.com/entry/2017/10/25/182537

4 特許を巡るトラブルの例(ソフトウェア・アルゴリズム関連)

被告物件は録画可能な記憶部を備えないとして非侵害であると判断された裁判例

会計ソフトに関する事例

5 特許トラブルへの対策

(1)IOT特許紛争防げるか

(2)対策の具体例

⓵企業における特許への対応状況を調べる 
特許情報プラットホーム(j-platpat)

⓶企業内での調査等
 具体的には、企画段階または設計終了段階で特許調査を行う(パテントクリアランス)、 特許調査で特許侵害を発見した場合における、実施料の支払・防衛特許、顧客との契約に免責条項を盛り込むことなどです。

特許権を侵害された場合の対処法
まずは相手方の製品を分析し、侵害可能性を判断したうえで、対応方針を決定するのが妥当です。
⓸経営レベルでの対応
 現場のエンジニアだけでは限界があり、経営レベルでの対応が必要になります。
具体的には
・特許制度への対応力の人材の育成
・システマチックに特許問題に取組む組織・体制づくり
・自社アイデア・ノウハウの積極的な特許化

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