ADRまとめ
2017/07/18   訴訟対応, 民事訴訟法, その他

 ADRとはAlternative Dispute Resolutionの略であり、代替的紛争解決手続、裁判外紛争処理制度などと呼ばれ、民事上の紛争を、裁判によらず当事者と利害関係のない中立的な第三者の助けを借りて解決することを指します。

・ADRのメリット・デメリット

・メリット
1.手続が簡易であり、利用者にとって経済的負担が少ない。
2.解決までの時間が短い(訴訟の場合第一審で半年~2年程度かかり控訴
  審・上告審となると更に時間を要するが 、ADRの場合、早期の解決(
  3か月程度)を期待できる)。
3.手続が非公開のため、プライバシーや社内技術の漏洩を防止できる。
 
・デメリット
1.ADRの一手段として仲裁を選んだ場合、訴訟を起こす権利が失われ
   る。
2.必ずしも紛争解決に至るとは限らない

・ADRの種類

 ADRの種類にはあっせん、仲裁があります。
1.あっせんについて
  あっせんとは、当事者の一方または双方からの申請により、あっせん員
が当事者同士の話し合いを進めて解決を図るものです。労働争議(労働関係
調整法10~16条)や公害紛争(公害紛争処理法28~30条)に用いられていま
す。
  当事者の一方からの申請の場合、あっせん員は相手方にあっせんに応じ
るように働きかけますが、相手方がこれに応じる義務はなく、応じない場
合にはあっせんを打ち切ることになります。
東京都労働委員会
労働関係調整法
公害紛争処理法
 
2.仲裁について
 仲裁とは事前に当事者同士が仲裁を受けることに同意(仲裁合意)した場合に、紛争を当事者が選んだ仲裁人によって解決する手続です。
 仲裁判断には裁判の判決と同じ効力があり当事者が拒否することができません(仲裁法45条1項)。これにともない仲裁判断に対して、控訴や上告等の不服申立てをすることはできず、裁判を起こすことはできません(同14条柱書き)。
仲裁法

・まとめ ~ADR利用の手引き~

 ADRについては訴訟手続の欠点を補い手軽に紛争を解決できる手段として、その利用を促進するために「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(ADR法)が平成19年4月1日に施行されました。
 訴訟の場合は敗訴のおそれがあるだけでなく、審理の公開が原則(憲法82条1項)であるため、係争中に報道等により自社の社会的評価を下げる危険も存在します。このような点に鑑みれば、手続が非公開であるADRは企業の法務担当者にとって魅力的な紛争解決手続きといえるのではないでしょうか。
また、実際のADRの利用に際しては、紛争の種類,利用する手続によって、必要な書類や記載事項、申立窓口が異なってきます。
以下、関連サイトをまとめたのでご参照ください。

・関連サイト
あっせん・仲裁の手続きの流れ 東京弁護士会
紛争解決費用 東京弁護士会
申し立て方法、必要書類、申立事例別記載例 東京弁護士会
紛争ごとの申立書記載例 第一東京弁護士会
独立行政法人 国民生活センター
かいけつサポート

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