社員の私用メールの対処法
2016/07/08 コンプライアンス, 労働法全般, その他
会社のPCを利用して私的なメールを送受信することは許されない
パソコンは業務で利用するために導入しているものなので、会社はパソコンや電子メールの私的な利用を禁止する権限を有している。
また、社員は勤務時間中は職務に専念する義務を負っているため、社員が勤務時間中に私的に電子メールを利用することは、この職務専念義務に違反する行為と判断される。
職務専念義務とは
では会社が社員のメール内容を監視することは許されるか?
監視の目的、手段及びその態様等を総合考慮し、監視される側に生じた不利益とを比較衡量の上、社会通念上相当な範囲であればプライバシーの侵害とはならない(東京地裁平成13年12月3日判決)。
東京地裁平成13年12月3日判決
他方で、就業規則に私用メールを禁止する規定がないのであれば、職務遂行の支障とならず、また、会社に過度の経済的負担を掛けない程度で私用メールを送受信しても、職務専念義務に違反しないとした判例も(グレイワールドワイド事件、東京地裁平成15年9月22日判決)。
東京地裁平成15年9月22日判決
事前にトラブルを防止するためには?
①トラブルを防止するためには、就業規則で私用メールを禁止することを定めておく。
②管理者が電子メールを閲覧・監視することも就業規則に定めておくことが望ましい。
就業規則の例①
就業規則の例②
懲戒処分はできるか?
社員が就業規則に違反する行為を行った以上、懲戒の対象となるのが原則である。
懲戒処分の種類
もっとも、軽微な違反に対しては、会社の職務遂行の妨げになるか否かを基準により慎重な判断が求められる。
懲戒処分の限界
関連コンテンツ
新着情報
- まとめ
- 経済安全保障法務:中国の改正国家秘密保護法の概要2024.3.15
- 2024年2月27日, 中国では国家秘密保護法(原文:中华人民共和国保守国家秘密法)の改正が成...
- ニュース
- 五輪談合事件で指名停止中の電通・博報堂に、都が特命随意契約で事業発注2024.4.18
- 東京オリンピック・パラリンピックをめぐる談合事件で指名停止となっている広告大手の電通および博報...
- 弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 弁護士
- 石田 雅大弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 解説動画
- 浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- セミナー
- 白井 薫平(Prighter Group)
- 阿久津 透 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】データ保護規制のポイント比較:EUのGDPRとこれからの日本の個人情報保護法
- 2024/05/15
- 17:00~18:00
- 業務効率化
- LegalForceキャビネ公式資料ダウンロード
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード