暴力ゲームは規制されるべきか? -米連邦最高裁は違憲と判断-
2011/06/29 IT法務, 民法・商法, エンターテイメント

概略
米連邦最高裁は27日、カリフォルニア州の暴力的内容を有するゲームソフトの販売規制法について、表現の自由を侵害するとして違憲とする判断を下した。同様の規制法を導入している他州にも影響がでるものと考えられる。
判決内容
アメリカでは暴力ゲームに大して業界の自主規制が行われていたようだが、それでは足りないということで規制法が成立していた。しかし、それは上記理由により認められなかった。同判決の中ではビデオゲームも書籍や演劇、映画と同様に表現の自由に保護されるべきとされ、たとえ子どもの保護が目的であっても、政府の措置には憲法上の制約が適用されるとしている。また、表現の自由は新たなコミュニケーションメディアが現れたからと言って変化するものではなく、ゲームをプレイすることと比較すれば、ダンテの作品を読むことは疑い無くより教養があり知的に啓発される体験だが、そのような教養や知的な差異については憲法には記されていないとしているのも重要であろう。
雑感
日本ではアメリカと異なり法規制がなされているわけではないが、暴力的内容を有しているゲームは規制されるべきとの意見は日本においても存在している。その論拠として暴力ゲームをしていると同種の行動に現実に走りやすいとする意見がある。
これを実証したとする実験結果もあるが、他方で無関係であるあるいは、むしろ犯罪は減るとする実験結果もある。結局のところ何を実証すれば是非をつけられるかが不明確であるし、そもそも単一のゲームの影響のみを強く受けるなんてことがあるのか大いに疑問である。ゲームのみでそこまでの影響をうけるのであればなんであってもそれが起こりうる人なのではないかと思うし、ゲームのみにその他のメディアと違った側面があるとは個人的には思えない。
ただ、実際に日本の最高裁がゲームをその他のメディア同様に保護してくれるか、また表現の自由をそこまで尊重するのか興味があると共に、そうはならないのではないかという気もする。
【関連リンク】
- 暴力ゲーム規制法は行き過ぎ 米最高裁、表現の自由尊重 -CNN.co.jp-(リンク切れ)→CNN.co.jp:暴力ゲーム規制法は行き過ぎ 米最高裁、表現の自由尊重
- 暴力的ゲームは子どもに影響なし--ハーバード大心理学者が調査 -cnet Japan-
関連コンテンツ
新着情報
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- ニュース
- ニデックが東証から指定、特別注意銘柄とは2025.10.29
- NEW
- 東京証券取引所が不適切会計で揺れる「ニデック」株を特別注意銘柄に指定していたことがわかりました...
- 弁護士

- 片山 優弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- まとめ
- 株主提案の手続きと対応 まとめ2024.4.10
- 今年もまもなく定時株主総会の季節がやってきます。多くの企業にとってこの定時株主総会を問題無く無...
- 業務効率化
- 法務の業務効率化
- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード
- セミナー
森田 芳玄 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】IPOを見据えた内部調査・第三者委員会活用のポイント
- 終了
- 2025/05/21
- 12:00~12:45
- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士

- 松田 康隆弁護士
- ロジットパートナーズ法律会計事務所
- 〒141-0031
東京都品川区西五反田1-30-2ウィン五反田ビル2階











