大阪の印刷会社、産業医等の設置義務知らず不選任で書類送検!
2013/09/26 労務法務, 労働法全般, その他

事案の概要
大阪の印刷会社サンヨー・シーワィピーの元従業員ら17人が胆管がんを発症(うち9人が死亡)した問題で、大阪労働局は26日、同社を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検した。
労働安全衛生は、一定の場合に産業医の設置を義務付けている。サンヨー・シー・ウィピーでは、2001年8月に上記設置義務が生じたにもかかわらず、2012年5月に大阪中央労働基準監督署が是正勧告するまで放置していた。
同事件について、同社はかつては、従業員が多数発症・死亡した現状について「大変遺憾。お見舞いとお悔やみを申し上げる」と表明したが、従業員や遺族らに対する謝罪や補償などについては「因果関係が明らかでない」などとして言及しなかった。
大阪中央労働基準監督局の事情聴取について、山村徳唯(とくゆき)社長(67)は「知識不足で産業医や衛生委員会などの設置の必要性を認識していなかった」と答えたという。
コメント
この問題について、同社が因果関係を認めていない段階でも、発症者全員から共通の化学物質が検出されたので、業務上使用された同化学物質が原因であることは明らかであるとして、因果関係を認めない点等について外部から批判がなされていた。
また、同社の社長は知識不足を理由に産業医等の設置義務を懈怠したことについては、同様の事例について十分な体制整備が企業側に求められるといえ、経営者は十分な注意を要する。
参照条文
労働安全衛生法
(産業医等)
第十三条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
労働安全衛生法施行規則
第十三条 法第十三条第一項規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行なわなければならない。
一 産業医を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に選任すること。
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