発明報酬 ルール策定へ
2014/03/25 知財・ライセンス, 特許法, その他

事案の概要
政府は業務上生み出された発明について、企業が特許を持つように制度を改正する、発明に対する報酬基準を作成し明示することを企業に義務付ける等のルールを策定する検討に入った。
現在、発明に関する特許は社員個人が持ち、それを企業に譲渡することで企業に特許が帰属するようになっているが、この点に関して法を改正し企業が発明特許を持つ制度に改めることが検討されている。
また、現状では、企業が事前に発明に対する報酬の基準を定めていない場合もあり、訴訟に発展するケースもある。そこで、発明報酬の基準を明確化することを義務付けることにより、訴訟リスクを軽減する。
コメント
今回のルール策定については、企業の負担軽減以外にも、技術開発に携わった社員等への利益の分配という意味合いもある。
業務の中で生み出された発明の特許に関しては、特定の個人が大きな権利を有するようになっており、技術開発に携わった他の社員等への恩恵が少ないとの指摘がなされている。
そこで、発明により生み出された特許を企業が持つようにし、特定の個人に大きな権利が独占されないようにする狙いもある。
ただ、特許が企業に帰属することのみを規定してしまうと、企業がその利益を独占的しまう可能性がある。そこで、企業に対して報酬の基準を策定することを義務付けることで、発明による利益が開発等に関わった社員に還元されるようにする。
今回のルール策定により、報酬基準を明確化したとしても、報酬の基準があまりにも低いものに留まると、開発担当者の意欲を削ぐことにもなるうえに、人材の海外流出につながる可能性もある。
報酬基準の明確化に伴い提示される報酬基準のガイドラインについては、報酬上限を1億円程度とすることを検討しているようであるが、人材の海外企業等への流出を防止等を考えると、この金額が妥当であるかは判断が難しいところである。
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