エンタメ業界の法務事情~島田紳助氏引退にみるコンプライアンス意識~
2011/08/24 コンプライアンス, 危機管理, 民法・商法, エンターテイメント

島田紳助氏引退会見を見て
昨日の島田紳助氏の引退会見は多方面に衝撃を与えた。筆者としては、弁護士も在籍している法務部を擁する吉本興業の子会社である、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のタレントであることから、何らかのコンプライアンス意識が働いていると感じた。
エンタメ業界の法務の役割について
知る限りでは、久保利弁護士が代表を務められているエンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワークが定期的に研究会やシンポジウムを開催して各種エンタメ業界の企業の方から法務ニーズについて聞くことの出来る機会を設けている。その中で吉本興業の法務部での役割としては定期的に所属タレントにやってはいけないこと・やっていいことの説明をして、違法行為に及ばないように注意している、との発言を聞いたと記憶している。そのような内部の教育係り的役割でもあるため、よりタレントに近い存在として社内に弁護士を置いているという風にも考えられる。
今回の島田紳助氏は吉本所属タレントの中でも重鎮に位置し、そのようなコンプライアンス講習の対象ではなかったのではないかと推測することが出来る。会見を参考にする限りでは、違法行為ではないが、倫理的に問題があるとして自ら引退を決めたとのことであるが、行為の社会的意義に応じてどの様な形で責任を取るのかという部分でも法務部のアドバイスなりが求められる場面はあるものと思われる。
その他の事例
社内で弁護士を擁する場合もあるが、一方で会社を訴える際に個人の側に立って弁護士が活躍するケースも増えている。小学館の編集部に対して『金色のガッシュ!』作者である漫画家の雷句誠氏が、原稿の紛失に関して損害賠償を求め、漫画原稿の芸術的価値を裁判所に訴えたケースが記憶に新しい。タレントやアーティストなどは基本的に所属会社とwin-winな関係であることが望ましいことから、このような紛争に発展することは稀であろうが、1つのエンタメ業界の法務の役割としてありうる形であるといえよう。
【関連リンク】
関連コンテンツ
新着情報

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士
- 髙瀬 政徳弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- セミナー
森田 芳玄 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】IPOを見据えた内部調査・第三者委員会活用のポイント
- 終了
- 2025/05/21
- 12:00~12:45
- 弁護士
- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- ニュース
- ゼンショーHDが500億円分発行、社債型種類株式とは2025.8.25
- 牛丼チェーン「すき家」などを展開する「ゼンショーホールディングス」は18日、議決権と普通株式へ...

- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード

- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード

- まとめ
- 改正障害者差別解消法が施行、事業者に合理的配慮の提供義務2024.4.3
- 障害者差別解消法が改正され、4月1日に施行されました。これにより、事業者による障害のある人への...

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間