違法行為に対する責任の取り方について
2011/03/10 コンプライアンス, 民法・商法, その他

外国人から政治献金を受けることは政治資金規正法で禁止されており、外国人であることを知って政治献金を受けると、罰則が適用され、公民権も停止されてしまう。つまり、議員の地位を失うことになる。前原氏は、献金者が在日外国人であったことを知っていたが、献金を受けていたという認識はなかったと主張している。
政治家の中には献金者の名前をチェックしてお礼をいうのは当然で献金者に気がつかないのはおかしいという意見もあるが、今回献金した在日韓国人の女性は日本名である通名で献金をしていたという。それが事実なら前原氏が気がつかなかったのも無理がなく、故意に外国人から献金を受けたのではなく、不注意であるという過失に該当する。献金を返金し、謝罪すれば済む話であり、外務大臣という要職を辞任する必要もない話である。外務大臣を辞任した結果、外務大臣は回転ドアのように頻繁に交代し、諸外国は一から日本の外務大臣と人間関係を構築するところから仕事を始めなければならない。
このようなことが北方領土をはじめとする領土問題も一向に解決しないなど国益を損ねる結果につながっていく。
そろそろ、国民を代表するマスコミは、冷静に違法行為の本質(今回は過失責任)をとらえ、国益を失う不利益と違法行為を追及する実益を比較考量し、批評・批判を行うようにするべきではないか。
同時に、追及を受ける側もマスコミの過熱報道を避けるために職務を辞職すれば許されるなどと安易に考えるのではなくきちんと自分の責任が過失責任であることをきちんと主張をするべきである。
責任を追及する側が感情的になり、追及される側が逃げの一手では何の教訓も得られない。事件で得たのは諸外国の嘲笑のみである。
企業においても、不祥事が起きた時には、マスコミの過熱報道の餌食になるリスクがあり、初期対応が重要である。責任の所在と責任の取り方を明らかにするべきであるが、マスコミがどの様な対応をするのか分からない恐怖がある。安易な責任の取り方をしてしまうのも無理からぬところがある。
しかし、企業の担当者としては不祥事が起きたのは恥ずべきことであるが、その後の対応が素晴らしければ良き前例となる。今まで日本で起きた不祥事においてマスコミと不祥事を起こした者との間で建設的な議論ができたケースは少ない。
良き前例を作り、悪しき日本の風土を断ち切りたいものだ。
関連コンテンツ
新着情報

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード

- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- ニュース
- 2025年上半期、監査法人異動が過去最多、会計監査人について2025.7.24
- 2025年上半期の上場会社における監査法人の異動件数が過去最多であることがわかりました。任期満...
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階

- セミナー
殿村 桂司 氏(長島・大野・常松法律事務所 パートナー)
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【アーカイブ配信】24年日経弁護士ランキング「AI・テック・データ」部門1位の殿村氏が解説 AIに関する法規制の最新情報
- 終了
- 2025/05/23
- 23:59~23:59