インターネットバンキングの不正送金~マネーミュールの甘い罠~
2013/11/21 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
「ミュール」は英語のmule、ラバという意味で、「マネーミュール」とは犯罪収益の運び屋のことを指す。
インターネットバンキングの不正送金事件の一連の流れは、次のようなものである。まず、犯行グループがインターネットバンキングの利用客の口座のIDとパスワードを盗んで不正アクセスし、「マネーミュール」の口座に送金する。そしてそれを犯行グループの海外口座に送金させる、というものである。送金の際には、銀行などと比べて本人確認が甘い海外送金サービスが利用されることが多い。
こうした不正送金は、一斉送信メールが送られてきたり、求人サイトに掲載されていたりといった経路で協力者を募っている。募集内容としては、「口座に振り込まれるお金を海外に送金するだけで報酬を支払う。」というものが主である。その甘い文言にひかれ、犯罪と認識せずに協力してしまうというケースが多い。
犯行グループは、この不正送金によってマネーロンダリング(資金洗浄)を行っている。そのため、不正送金に警察の捜査が及んだ場合においても、協力者は全く犯行グループについて知らないため、犯行グループに到達することがないという仕組みである。
今年に入り急速に被害が拡大しているインターネットバンキングの不正送金について、早急な対策案の構築が求められるところである。
コメント
警視庁は甘い誘いに乗らないように呼びかけを行っているが、より具体的な対策案が必要となるのではないか。もちろん国民への広報という面も軽視はできないが、海外送金におけるチェック機能の強化や求人サイトの掲載条件の見直し等といったことも考えられる。
いずれにせよ、早急な対策が求められていることは間違いないであろう。
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