伊藤忠、ドールの加工品事業等を買収へ
2012/09/13 戦略法務, M&A, 会社法, 商社

概要
伊藤忠商事は13日、米食品大手ドール・フード・カンパニーの加工食品事業(缶詰、果汁飲料等)とアジアでの青果物(バナナ等)生産・販売事業について買収に向けて交渉中であること、並びに買収に向けた新会社を設立することを発表した。買収額は約1300億円になるとみられている。日本の商社は、その投資先としてこれまでに資源エネルギー関連に大きな比重を置いてきた。しかし、こうした経営は資源価格の変動に影響を受け易いことから、昨今ではこれを分散するべく他分野の買収等が目立っている。一方のドールは、主力商品であるバナナの価格下落や欧州などの販売不振で経営が悪化しており、加工品事業の売却が模索されていた。
今回の買収は、伊藤忠が得意とするブランドビジネスとしての側面も注目される。伊藤忠はこれまでに主に繊維・衣料分野において数多くの欧米ブランドのインポートやライセンス事業をはじめとする多様なビジネスモデルを構築してきた。最近ではこれをライフスタイル全般に拡大しており(例えば、高級食材店「DEAN & DELUCA」も伊藤忠の展開事業である)、今回の買収もドールの世界的知名度を活用しての市場拡大を意図したものであると考えられる。
伊藤忠の小売チャンネルといえば、コンビニエンスストア業界第3位のファミリーマートである。伊藤忠としては、まずはこうした既存の販売ルートを用いた販売拡大戦略を展開することになる。国内だけでなくアジア諸国の店舗をもフル活用してアジアを中心とした新興国市場拡大を狙う。また、その先では、日本国内の農作物についてドールブランドの力を使って国際競争力を高めていくことも検討されている。
コメント
長引く円高により日本の輸出産業は深い痛手を負っているが、逆に言えば国内企業が海外企業に対しM&Aを仕掛けていくにはまたとないチャンスである。無論、円高を解消する為の金融政策は急務であるが、こうした現状の中で攻めの姿勢を貫くのは心強い限りである。
【関連リンク】
尚、本記事をもちましてライター「tak」によるニュース提供を終了させて頂きます。ご清覧頂き誠にありがとうございました。今後とも法務ニュースを宜しくお願い申し上げます。関連コンテンツ
新着情報

- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード

- 解説動画
弦巻 充樹弁護士
- 【無料】M&Aの基礎とリスクヘッジの実務
- 終了
- 視聴時間1時間

- セミナー
松尾 剛行 弁護士(桃尾・松尾・難波法律事務所/第一東京弁護士会)
- 【オンライン】2040年の企業法務への招待。〜松尾剛行先生に聞く、AI による法務業務の効率化とその限界〜
- 終了
- 2025/03/06
- 12:00~13:00
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分

- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...
- 弁護士
- 片山 優弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階

- ニュース
- 福岡地裁が東輪ケミカルに2700万円支払い命令、「配車差別」と不当労働行為2025.4.24
- 労働環境の改善を求めたことにより「配車差別」を受けるようになったのは違法であるとして、東輪ケ...