ドローンにまつわる法的規制まとめ

1 はじめに

 2017年8月25日、ドローンの物流や災害現場などでの活用促進に向け、長距離飛行を制限している改正航空法の運用規定を改訂する方針を固めました。ドローンの活用に向けて、規制運用の合理化が行われています。
 もっとも、ドローンの空撮ではプライバシーの問題が生じますし、航空法による規制、電波法による規制も受けます。これらの規制による許可を得ないまま、ドローンを飛ばせば、行政指導や行政処分を受けるだけではなく、罰則の対象となり責任者が書類送検される可能性もあります。このようなリスクを防ぐためにも、ここではドローン利用に生じる規制をまとめていきます。

2 ドローンについて

 ドローンとは、軍事用に開発された自立移動する端末ロボットのうち、小型の無人航空機(UAV)をいいます。ドローンはもともと軍事目的で開発されたもので、第一次世界大戦中からその発想が存在したといわれています。1990年代から研究が進み、2010年ころにはMQ-1プレデターをはじめとした無人戦闘機が、アフガニスタンやイラクで実践投入されています。近年では、個人が楽しむためのドローン利用だけでなく、商業用の利用も増えています。ドローンによる航空写真撮影を事業として行う会社も出てきており、Amazon, Google, ドミノピザも商品配達を目的としてドローンの開発を進めています。

(参考)
ドローンの概要について、まとめているサイトです。
ドローン初心者にカンタン紹介 ドローンの魅力
お金がない.JP SFの世界が現実に!ドローンがもたらす世界の変化とは?

3 改正航空法による規制

(1) 規制対象
 平成27年9月に航空法の一部が改正され、平成27年12月10日からドローン等の無人航空機の飛行ルールが新たに導入されることとなりました。
 今回の法改正により対象となる無人航空機は、「①飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、②遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。

(参考)
国土交通省のサイトで、ドローンの改正航空法による規制をまとめています。
国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
国土交通省 4.改正航空法に関するよくあるご質問や条文などの資料について

(2) 無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について
 ①②③のように、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれのある空域や、落下した場合に地上の人などに危害を及ぼすおそれが高い空域において、無人航空機を飛行させる場合には、あらかじめ、地方航空局長の許可を受ける必要があります。

①空港やヘリポートの周辺の上空空域
②150m以上の高さの空域
③人口集中地区の上空

①②③以外の空域では、地方航空局長の許可なく飛行できます。

(3) 無人航空機の飛行の方法
飛行させる場所に関わらず、無人航空機を飛行させる場合には、以下のルールを守らなければなりません。

[1] 日中(日出から日没まで)に飛行させること
[2] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
[3] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
[4] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
[5] 爆発物など危険物を輸送しないこと
[6] 無人航空機から物を投下しないこと

 上記のルールによらずに無人航空機を飛行させようとする場合には、あらかじめ、地方航空局長の承認を受ける必要があります。

4 電波法による規制

 電波を利用するには、国内の技術基準に合致した無線設備を使用し、原則、総務大臣の免許や登録を受け、無線局を開設することが必要です。(微弱な無線局や一部の小電力無線局は除く。)
 もっとも、微弱無線局として、「技適マーク」(技術基準適合証明等のマーク)が付与されているドローンであれば、免許不要となります。正規代理店が日本に存在していて、そこが輸入して販売しているドローンの機種ならほとんどに「技適マーク」がついています。

(参考)
電波法によるドローンの規制についてまとめているサイトです。
平田 省郎「The Finance ドローンの法規制を弁護士がやさしく解説 ~改正航空法と電波法」
ドローン(マルチコプター)における電波法と技適マークについて

5 規制された事例

(1) 水上撮影会社が港則法違反(無許可行事)で検挙された事例
 2016年10月、水上撮影会社が、レインボーブリッジ付近の海上で、会社所有の作業船など5隻で船隊を組み、ドローンやムービーカメラで無許可でビデオ撮影したとのことです。撮影現場の責任者も検挙されています。

産経ニュース・ドローン使い無許可でビデオ、撮影会社を検挙 有名映画やテレビドラマ制作協力も 東京海上保安部

(2) 電波法違反事例
 2015年10月13日、ドローンで空撮した映像を伝送するため、無免許で無線設備を使用したとして、空撮会社と、同社代表が電波法違反の疑いで書類送検されました。
 使用されていたドローンは、外国で製造された5.8GHz帯を使用するFPVで、国内規格に準拠していない機器でした。

hamlife.jp・<全国で初! “ドローン”使用による電波法違反>関東総通、小型無人機の搭載カメラ伝送用に不法無線局を開局した空撮会社と同社社長を摘発

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約1年1ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
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[著者情報] mir21

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略歴:
早稲田大学法学部・法科大学院卒業、
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2010年1月~2018年4月
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西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士

2005年東京大学法学部第一類卒業
2006年弁護士登録(第一東京弁護士会)
2015年バージニア大学ロースクール卒業(LL.M.)
2016年Max Planck Institute for Innovation and Competitionにある
ミュンヘン知的財産法センター修了(LL.M.)、同年Noerr法律事務所ミュンヘンオフィス勤務
2017年米国ニューヨーク州弁護士登録

日本における知的財産法、営業秘密保護、個人情報保護法のほか、
EUにおける知的財産制度・競争法、EUデータ保護規則をはじめとする
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18,000円(税別)
東京都港区
講師情報
野呂悠登
TMI総合法律事務所 弁護士

東北大学法学部卒業、東京大学法科大学院修了

平成27年改正個人情報保護法の全面施行前後に、
個人情報保護委員会事務局において、
法令関係とデータの利活用関係を担当

近時の著書等には『個人情報管理ハンドブック[第4版]』(商事法務、2018)、
「AIによる個人情報の取扱いの留意点」(Business Law Journal、2018年6月号)、
「ビッグデータ・個人情報の利活用と先端ビジネス」(Business Law Journal、2018年8月号付録〔LAWYERS GUIDE〕)等がある。

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レクシスネクシス・ジャパン株式会社/ビジネスロー・ジャーナル
最近、AI関連技術の発展等により、AIの活用に対する期待が高まっており、ビジネスにおいて実際にAIの活用を始める企業が増えてきています。

AIを活用する場合、従来人間の脳が行っていた知的な作業をコンピュータに行ってもらうことになるため、従来想定されなかった様々な法的問題点が生じることが想定されます。
特に、機械学習を用いたAIを用いる際には、従来とは異なる方法で大量の情報を集積し又は処理を行うため、個人情報保護法やプライバシー権との関係が問題となりやすいと考えられています。

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小島国際法律事務所
パートナー 日本及びカリフォルニア州弁護士

東京大学法学部卒
1999年弁護士登録(第二東京弁護士会)
カリフォルニア大学デービス校ロースクール修士課程卒(LL.M.)
国内外の販売店契約に関する取扱い案件多数
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販売店契約(ディストリビューション契約)は、サプライヤーの商品を、販売店(ディストリビューター)の販売チャネルを通じて販売するための契約です。
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