関西電力が補足説明発表、株主総会招集通知について

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はじめに

 関西電力は今月25日開催予定の株主総会の招集通知について補足説明を発表していたことがわかりました。選任候補の社外取締役についての事項とのことです。今回は株主総会招集通知について見ていきます。

事案の概要

 報道などによりますと、関西電力が補足した部分は同社が社外取締役の1人として選任提案している元大阪高検検事長の佐々木茂夫氏(現同社社外監査役・弁護士)に関する部分とされます。当初招集通知には2019年6月以降に就任した社外監査役の各氏は金品受領問題について事前に問題を認識していなかったとしておりました。しかし今回の補足で当該問題について複数の弁護士に相談しており、佐々木氏もその一端を知る立場であったとしております。

株主総会招集通知の発送

 株主総会を招集する際にはまず、取締役会または取締役(取締役会非設置会社)が招集する旨、日時、場所、議題等を決定します(会社法296条3項、298条4項、299条)。そして公開会社では原則開催日の2週間前まで、非公開会社では原則1週間(書面電子投票採用の場合は2週間)前までに招集通知を発送することとなります(299条1項)。なお取締役会非設置会社の場合は招集通知は原則として書面以外の方法、例えば口頭や電話、電子メールなどでも可能となっております(299条2項)。

招集通知の記載事項

 招集通知には、①開催日時・場所、②議題、③書面投票・電子投票ができる場合はその旨、④その他法務省令で定める事項を記載することとなります(298条1項)。法務省令で定められているものとしては、①前回の定時総会の時期と著しく離れた日時の場合はその理由、②集中日に開催し特にその理由がある場合はその理由、③従来と著しく離れた場所で行う場合はその理由、④議決権代理行使するさいの代理権証明方法、⑤議決権不統一行使する際の通知方法などとなっております。なお取締役選任議案の場合は候補者の氏名生年月日及び略歴、責任限定契約の概要、当人が保有する株式数、現役職、候補が複数いる場合は候補者番号などを記載することとなります(施行規則74条1項、2項)。

招集通知の記載不備がある場合

 取締役会設置会社の場合は原則として招集通知に記載された事項しか議題として決議することはできません(309条5項)。株主は招集通知の記載内容を見て出席するか否かを判断するからです。しかし例外として資料調査者の選任(316条1項)、財産状況調査者の選任(同2項)、会計監査人の出席を求めること(398条2項)については決議することができます。これら招集通知について不備がある場合は招集手続きまたは決議方法の法令違反として株主総会決議取消しの訴えの対象となる場合があります(831条1号前段)。

コメント

 本件で、関西電力は当初の招集通知で金銭受領問題につき社外取締役候補は認識していなかったと記載しておりました。しかしその後、問題の一端は知る立場であったと修正しております。同社は虚偽記載ではないが分かりにくいところがあったとしております。株主総会開催後に発覚した場合は株主によって取消の訴えが提起されるといった事態も考えられ、事前に対処したものと思われます。以上のように株主総会招集通知は会社法や施行規則に詳細な記載事項が定められており、不備があった場合は事後に問題化することが多いと言えます。招集手続と合わせて記載事項についても法令を確認しておくことが重要と言えるでしょう。

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[著者情報] mhayashi

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2008年より中央大学ビジネススクール客員講師(13年より同客員教授)
2016年より2018年まで東京大学大学院法学政治学研究科教授
2019年ベンチャーラボ法律事務所開設

主にベンチャー・スタートアップ支援、M&A、国際取引、一般企業法務を取り扱う。

主著として、『業務委託契約書作成のポイント』(共著)、『契約書の見方・つくり方(第2版)』、『ビジネス法律力トレーニング』、『ビジネス常識としての法律(第2版)』(共著)、『シチュエーション別 提携契約の実務(第3版)』(共著)、『会社役員のための法務ハンドブック(第2版)』(共著)などがある。
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