倒産手続きIT化へ議論、会社破産手続きについて

法務担当者が“法務”を語る新しいWEBメディアはコチラ

1、はじめに

 企業の倒産手続きのIT(情報技術)化を目指し、法律の専門家が研究会を設立したそうです。IT化で先行する海外の事例などを参考に、2019年春までに具体案をまとめ、必要なルール整備を政府に求めるとのことです。
 今回は企業が破産した場合の手続を概観し、手続のIT化によってもたらされるメリットなどを検討します。

2、会社破産手続きの流れ

(1)準備
 まず会社破産することのメリット・デメリットを押さえた上で、破産すべきか否かの判断をします。
 破産することが決まったら、会社の状況に応じて、どの時点で活動を停止するのが最適かを検討します。それに合わせて、破産手続申立ての各種準備のスケジュールを立てます。
(2)申立て
 裁判所に書類を提出し、破産手続きの申立てを行います。といっても、実際に裁判所に行くのは破産手続きを依頼した弁護士のみで、法務担当者などが裁判所に出向く必要はありません。
(3)破産手続き開始の決定
 裁判所が破産手続きの開始を決定すると、破産管財人が選任されます。破産管財人(破産手続開始決定までは候補者)と、今後の処理方針等について打合せをします。この手続きには法務担当者などの出席が必須になるそうです。
 破産管財人が会社の財産を換価する等の任務に着手します。
 法務担当者などは裁判所で開かれる債権者集会に出席する必要がありますが、 担当弁護士も同席するそうです。
(4)破産手続きの終結
 破産手続は、債権者集会、破産財団からの配当を経て、最終的に裁判所による破産手続終結の決定によって終了します。破産手続の終結によって破産管財人の破産財団に対する管理処分権限は消滅し、破産管財人の任務も終了します。破産手続終結決定は、官報により公告されます。

3、コメント

 会社倒産を行うためには上記のような手続を踏む必要があります。一連の手続には多大な費用と時間を費やすため、手続の迅速化・簡素化が議論されています。破産債権者や弁護士などが一堂に会する債権者集会をオンラインで行えるようにすれば、手続のスピードアップ・コスト削減につながるでしょう。また、債権者集会に集えない破産債権者も会社の状況を知ることができるようになるため、より平等な配当が期待されます。
 法務担当者としては、倒産手続きIT化の研究会の動向に気を配り、IT化のタイミングを予見しておかれるのがよいと考えます。IT化によって倒産手続きが利用し易すくなり、自社に対して債務を負う企業が倒産に踏み切る可能性が少なからず高まると予想されるからです。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約1年2ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
関連業務タグ:
関連法律タグ:
 
[著者情報] oisi

詳細情報はありません。