人材不足救う外国人「選ばれる企業」になるには

1 はじめに

安倍首相は、建設・農業・介護など深刻な人手不足に悩む企業を対象に、2019年4月に新たな在留資格を設けることを表明しました。原則認めていなかった単純労働に門戸が開き、25年までに50万人超の就業を目指します。

2 在留資格とは

在留資格とは、外国人が日本に入国して滞在する際の身分や活動範囲の分類をいいます。調理師などの「技能」、外国からの勤務者である「企業内転勤」、など36種があります。滞在期間は多くの資格で最長5年間です。資格によって、労働の待遇や雇用条件が異なります。収入などの条件を満たす「高度専門職」は複数の職種の活動を認め、永住要件でも優遇措置があります。資格取得の手続きは出入国管理法と法務省令で定められています。

3 在留外国人の増加

法務省は2020年までの出入国管理基本計画で資格を拡大する方針を示しました。16年に成立した改正入管法では、日本の介護福祉士の資格を持つ外国人に「介護」の資格を認めるなどしています。資格には「留学」や「技能実習」があり、就労が主目的ではないが、飲食店や小売店でアルバイトとして働く外国人も多く存在します。「永住者」や「日本人配偶者」を含む、17年末の在留外国人数は、約256万人と前年末に比べ7.5%増え、過去最高でした。日本の労働人口は約6600万人であり、17年10月末時点の外国人労働者約127万人でした。約50人に1人は外国人が労働人口を担っていることになります。

4 新資格

新たな在留資格を得るには2つの入り口があります。一つは最長5年の技能実習制度の終了です。これまでは、技能実習生は研修期間を終えると本国に帰還しなければいけませんでした。
もう一つの入り口は、新たに導入する試験に合格することです。日本語の能力水準は、ある程度の日常会話ができる「N4」を原則として、建設や農業などでは日本語さらに苦手な人でも認めることになります。技能面の能力も確認します。

5 今後の課題

外国人の就労環境の整備が課題です。これまで、雇用主が社会保険に加入しないなどの外国人への不当な扱いが社会問題となってきました。新たな在留資格では、外国人労働者に対して日本人並みの報酬を払うように義務付けます。さらに、企業には、賃金以外の待遇面も含めた就労管理を徹底することが求められます。
新資格により技能実習終了による雇用継続が認められることから、外国人実習生の育んだ技術を継続して活用すべく、企業は技能実習制度を利用する機会が増えることが予想されます。技能実習制度の活用による外国人労働者の増加により、特に法務担当者が目を光らせるべきは、一人一人の外国人労働者に対する法令順守・管理体制の密度が希釈していないか、という点です。すなわち、在留資格のない外国人を働かせたことによる不法就労助長罪(入管法73条の2)に処せられないようにすること、労働条件による国籍差別がされないようにすること(労働基準法3条)、雇用対策法に基づく外国人労働者の届出を確実に行い、処罰されないようにすること(同法28条・40条1項2号)などを、雇用前にセミナーを開催しあるいはリーフレットを配布する等により採用担当者と意識共有することです。法令順守がされない企業との風評は、外国人労働者採用において大きな不利益となります。技術を修得した貴重な外国人労働者の人材流出を防ぐ意味でも、労働基準法等の労働者保護の法令順守に新たな意義が生じています。
企業も、雇用環境の整備・法令遵守両面から、外国人から「選ばれる」ことが求められる時代が来るといえましょう。

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[著者情報] okada

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法務ニュース 労務法務 労働法
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2018年11月07日(水)
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弁護士・NY州弁護士

グローバルに展開する大規模法律事務所であるクリフォードチャンス法律事務所において、国際的な企業法務を取り扱い、国内外の企業に法的助言を行う。その間に、国内大手商社法務部への出向やワシントンD.C.での勤務も経験。現在は、オリンピア法律事務所のパートナーとして、主に中部圏の企業の国際取引・海外進出をサポートしている。

略歴:
早稲田大学法学部・法科大学院卒業、
コロンビア大学ロースクール(LLM)卒業
2009年12月 弁護士登録
2010年1月~2018年4月
クリフォードチャンス法律事務所 外国法共同事業
2012年6月~2014年2月 三井物産株式会社 法務部(出向)
2015年9月~2016年7月
クリフォードチャンス・ワシントンD.C.オフィス(出向)
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2004年 京都大学法学部卒業
2005年 弁護士登録(58期 第二東京弁護士会)
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2008年 フランス系ラグジュアリーブランド日本支社(出向)
2010年 アメリカ、Duke University School of Law(法学部)LLM卒業
2010年 クリフォードチャンス香港オフィス(出向)
2011年 日系の大手財閥系総合商社のイギリス子会社の法務部(出向)
2013年 ニューヨーク州弁護士登録
2015年 IBS法律事務所開設(愛知県弁護士会に登録換え)
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愛知県一宮市出身
愛知県立一宮高等学校卒業
2016年 一橋大学法学部卒業
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2018年11月16日(金)
09:45 ~ 11:45
17,000円(税別)
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石川 智也
西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士

2005年東京大学法学部第一類卒業
2006年弁護士登録(第一東京弁護士会)
2015年バージニア大学ロースクール卒業(LL.M.)
2016年Max Planck Institute for Innovation and Competitionにある
ミュンヘン知的財産法センター修了(LL.M.)、同年Noerr法律事務所ミュンヘンオフィス勤務
2017年米国ニューヨーク州弁護士登録

日本における知的財産法、営業秘密保護、個人情報保護法のほか、
EUにおける知的財産制度・競争法、EUデータ保護規則をはじめとする
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《東京開催》企業におけるAI活用と個人情報保護・プライバシーの留意点
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14:00 ~ 16:30
18,000円(税別)
東京都港区
講師情報
野呂悠登
TMI総合法律事務所 弁護士

東北大学法学部卒業、東京大学法科大学院修了

平成27年改正個人情報保護法の全面施行前後に、
個人情報保護委員会事務局において、
法令関係とデータの利活用関係を担当

近時の著書等には『個人情報管理ハンドブック[第4版]』(商事法務、2018)、
「AIによる個人情報の取扱いの留意点」(Business Law Journal、2018年6月号)、
「ビッグデータ・個人情報の利活用と先端ビジネス」(Business Law Journal、2018年8月号付録〔LAWYERS GUIDE〕)等がある。

主催
レクシスネクシス・ジャパン株式会社/ビジネスロー・ジャーナル
最近、AI関連技術の発展等により、AIの活用に対する期待が高まっており、ビジネスにおいて実際にAIの活用を始める企業が増えてきています。

AIを活用する場合、従来人間の脳が行っていた知的な作業をコンピュータに行ってもらうことになるため、従来想定されなかった様々な法的問題点が生じることが想定されます。
特に、機械学習を用いたAIを用いる際には、従来とは異なる方法で大量の情報を集積し又は処理を行うため、個人情報保護法やプライバシー権との関係が問題となりやすいと考えられています。

本セミナーでは、平成27年の個人情報保護法の全面施行前後において、同法を所管する個人情報保護委員会にて法令の担当者を務めた講師により、
AIを活用することを検討している企業の担当者向けに、企業におけるAI活用と個人情報保護・プライバシーの留意点を具体的な事例を基に解説します。
申込・詳細はコチラ
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17,000円(税別)
東京都港区
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豊島 真
小島国際法律事務所
パートナー 日本及びカリフォルニア州弁護士

東京大学法学部卒
1999年弁護士登録(第二東京弁護士会)
カリフォルニア大学デービス校ロースクール修士課程卒(LL.M.)
国内外の販売店契約に関する取扱い案件多数
著作に「販売店契約の実務」(中央経済社・共著・編集担当)

主催
レクシスネクシス・ジャパン株式会社/ビジネスロー・ジャーナル
販売店契約(ディストリビューション契約)は、サプライヤーの商品を、販売店(ディストリビューター)の販売チャネルを通じて販売するための契約です。
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①実際の事例の紹介を多く行います。よく見かける契約書の条項の一言一句の大切さは、実際に問題が起こってから初めて思い知らされることが多いものです。
実際に起こった問題に触れながら、これまで見過ごしていたかもしれない各条項の重要性について見ていきます。

②販売店契約は、企業間取引で最も頻繁に使われる契約の1つであり、英文契約の入門科目として最適と言えます。

これから英文契約について本格的に学びたいという方にも役立ちます。
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