「魔法少女まどか☆マギカ」「少年ジャンプ」の試み 著作権者の模索

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「違法アップロード」検挙の強化

4月21日、兵庫県警などは、アニメ「∀ガンダム」をファイル共有ソフト「Share」でアップロードし、不特定多数のユーザーが利用できる状況にした著作権法違反の容疑で、兵庫県の男性を逮捕・送検した。捜査員によるサイバーパトロールで発覚した。
最近特に、こうした違法アップロードの摘発・損害賠償訴訟が目立っている。18日にも、コンピュータソフトウェア著作権業界(ACCS)は、ゲームソフトを無断で共有して著作権法違反の有罪判決を受けた者に対する損害賠償請求を行った。
近年、ゲームプログラムや漫画の違法アップロードを受け、著作権法自体も改正が繰り返されている。違法ファイルに対する制裁は厳しさを増している状況だ。

動画サイトで「公式配信」、無料で放送の試み

アニメやドラマを全てチェックできる人はあまりいないだろう。そして、話題になった作品に乗り遅れ、うわさだけ聞いて悔しい思いにとらわれた経験をお持ちの方も多いだろう。そうした層は、テレビ放送だけではひろいきれない潜在的視聴者と言いうる一方、悔しさのあまり(?)違法ダウンロードの視聴へ走る可能性もある。
近年、彼らを取り込むのに奏功しているのが「公式配信」だ。「ニコニコ動画」など著名な動画サイトで、アニメ放映後も一定期間作品を配信する。権利者の認可のもと行われるため「公式」と呼ばれることが多い。「公式」によって、違法行為に走ることなく作品を視聴でき、権利者もファンの拡大を図ることができる。
視聴可能地域が限られている作品では特に有用だ。今年1月から放映され、昨日深夜に完結編がオンエアされた人気作「魔法少女まどか☆マギカ」は典型例で、第1話から「ニコニコ動画」で視聴できる。
東日本大震災で読めない人々が続出した「週刊少年ジャンプ」も、「公式配信」を行った一例だろう。同誌を発行する集英社は、「ジャンプ」15号・16号を「Yahoo!JAPAN」や「ニコニコ動画」、同社ホームページにて特別無料配信をしている(4月27日まで)。震災の影響による一時的なものではあるが、震災で読みそびれた読者のみならず他の地方の読者にまで、好感をもって受け止められた。

権利者にもファンにも優しい方法って?

動画サイトやダウンロードサイトの存在は、便利であるが、著作権の観点からは悩ましいものだ。
違法アップロードで海外での人気が高まる場合もあり、権利者によっては「傍観」「野放し」という選択をあえて行う場合すらあるという。しかし、本来の著作権法に照らせば、違法としかいえないケースが多い。
ファンの側にも、良質な作品を「布教」する気持ちがある場合があるようで、他者に危害を加えようという悪意まではないのかもしれない。
解決のために「公式配信」は良い方策に見えるが、テレビCMの扱いなど、問題点は存在する。
両者に優しく、作品をより広める方法を探して、模索が続く。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約8年11ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] YK

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