改正風営法施行、その改正概要について

はじめに

昨年6月17日に成立し同月24日に公布されました改正風営法が今年6月23日に施行されました。本改正により24時間営業可能となった業種や規制対象から除外された業種等が存在します。今回は改正風営法の概要について見ていきたいと思います。

風営法改正のポイント

今回の改正での大きな変更点はダンス営業に関する規制緩和とクラブ営業の営業時間の延長が挙げられます。ダンス営業に関しては以前から規制の対象から外すべきとの声が上がっていました。「ダンス」の定義の曖昧さ等から一律にダンス営業を規制することは憲法21条の表現の自由にも抵触し、罰則適用は罪刑法定主義等の刑事罰の原則にも反するのではないかということです。また以前規制対象となっていたビリヤード営業もビリヤードはスポーツであるとの社会認識の変化に伴って風営法による規制対象から除外されたという経緯から、ダンスも同様に規制対象から外すべきと考えられてきました。これによりダンス営業に関しては一部風営法の規制対象から外れ、一部は24時間営業が可能となります。クラブ営業に関しても店内の照明の明るさによってその地域の条例による営業時間に服することになり、最大午前6時までの営業が可能となります。

ダンス営業について

本改正により旧風営法2条1項4号「設備を設けて客にダンスをさせる営業」の規定が削除され、ダンス営業は風俗営業から除外されました。これによりダンス営業は一律に風俗営業として許可を要するということはなくなりましたが、風営法自体が適用されなくなったわけではありません。まず客にダンスのみをさせるダンス教室、ダンスホール等は風営法の規制対象から外れました。ダンスに加え飲食物を提供する場合は通常の飲食店としての営業許可が必要となります。深夜0時以降に酒類を提供する場合は本改正により新設された特定遊興飲食店営業として許可が必要となります。

クラブ営業について

客にダンスをさせ、接客と飲食の提供を行うキャバレーと接客と遊興または飲食を提供するキャバクラのいわゆるクラブ営業に関しては店内の照明の明るさによって分類し、朝までの営業が可能となるようになりました。店内の照明の明るさが10ルクスを超える場合は上記の特定遊興飲食店営業として条例の範囲で朝までの営業も可能となり24時間の営業ができるようになります。10ルクスの明るさとは上映前の映画館内の明るさに相当します。明るさが10ルクス以下の場合はこれまでの風俗営業としての営業となります。その場合でも営業時間はこれまで最大深夜1時までだったのが条例によりさらに延長することが可能となりました。

特定遊興飲食店営業とは

本改正で新設された特定遊興飲食店営業とは「ナイトクラブその他の設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る)で、午前6時後翌日の午前0時前の時間においてのみ営むもの以外のもの」(2条11項)と定義されております。つまり客を遊興させ0時以降にお酒を提供し、明るさが10ルクスを超える店を指します。これに該当する場合には公安委員会の許可が必要となります(31条の22)。「遊興させる」とは営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせることを言います。営業者側の積極的な関与を必要としないカラオケ、ボーリング、ビリヤード等の場合には該当しません。

コメント

本改正によりクラブ営業等は明るさを10ルクス以上にすることによって深夜0時以降も営業することが可能となりますが、その場合には新たに許可が必要となってきます。警察庁によりますと特定遊興飲食店営業の許可申請は5月末時点で14都道府県で約70件とのこと。23日の改正法施行をうけて福岡県警が立ち入り調査したところ福岡県内の75店舗の内許可を要するのに申請していなかった店舗は約半数近くに登ります。今回の規制緩和に伴って客の迷惑行為防止措置及び近隣からの苦情処理簿の設置が義務付けられる等、近隣環境への配慮義務が新設されましたが、朝までの営業が可能となることで地域住民への影響は避けがたいものと言えます。警察による立入検査等の行政による取り締まりは強化されていくものと予想されることから、今後特定遊興飲食店営業を予定している事業者は許可申請と近隣への配慮措置に注意が必要と言えるでしょう。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約2年3ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
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2005年東京大学法学部第一類卒業
2006年弁護士登録(第一東京弁護士会)
2015年バージニア大学ロースクール卒業(LL.M.)
2016年Max Planck Institute for Innovation and Competitionにある
ミュンヘン知的財産法センター修了(LL.M.)、同年Noerr法律事務所ミュンヘンオフィス勤務
2017年米国ニューヨーク州弁護士登録

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東北大学法学部卒業、東京大学法科大学院修了

平成27年改正個人情報保護法の全面施行前後に、
個人情報保護委員会事務局において、
法令関係とデータの利活用関係を担当

近時の著書等には『個人情報管理ハンドブック[第4版]』(商事法務、2018)、
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東京大学法学部卒
1999年弁護士登録(第二東京弁護士会)
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著作に「販売店契約の実務」(中央経済社・共著・編集担当)

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