婚活イベントと法規制

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 男女共に未婚率は年々上昇し30歳を過ぎた男性は約47%、女性は約34%となっています。未婚率の上昇とは対照的に結婚願望は男女ともに80%を超えています。
 このような事態を反映してか婚活イベントは全国規模で開催され、大きな賑わいをみせています。街コンや恋活など小規模のものから移動や宿泊を伴うものまでバリエーションは豊富です。とりわけ各地方自治体は嫁不足が深刻化とともに地方振興のために積極的に婚活イベントの誘致を行っています。
 しかしこれら婚活イベントは場合によっては旅行業に違反するものがあります。今回はいかなる婚活イベントが旅行業法の規制対象となるか、同法に違反した場合の罰則を紹介したいと思います。

1 旅行業法の規制対象
 旅行業法の規制対象となる「旅行業」とは
①報酬を得ること
②事業であること
③一定の行為(旅行業務)を行うこと
と定められています。
それぞれの要件を詳しく見ていきます。

(①)報酬を得ること
 自分が提供したサービスに対して対価を得ること、です。
 したがって主催者がイベント企画の報酬を受けとらない場合は「旅行業」にあたりません。またSNSなどであくまで婚活メンバーを募るだけで中間マージンを得ていない場合も「旅行業」にあたりません。

(②)事業であること
 継続的・計画的に不特定多数の人を相手にすること、です
 したがってある個人や団体が一定期間複数の婚活イベント企画旅行を実地している場合は事業性が認められるので旅行業にあたります。

(③)一定の行為(旅行業務)を行うこと、です。
 旅行業務とは具体的には、
 旅行者(参加者)と契約して
ア 運送または宿泊のサービスの提供を受けられるように手配する業務(基本的旅行業務)
イ 基本的旅行業務に付随する業務で、運送や宿泊以外の旅行サービスの手配をする業務(付随的旅行業務)
ウ 有料で旅行の相談に応じる業務(旅行相談業務)
のいずれかに該当するなら旅行業務にあたります。
 したがって、貸切バスなどでで移動するものや宿泊型の婚活イベントは旅行業業務にあたることになります。この反面婚活イベント・セミナー企画を行い、企画が固まったら旅行会社に個別にツアーを組んでもらう手配代行業者は旅行者(参加者)ではなく旅行業者などを相手にしているので旅行業務にあたりません。

2 旅行業法に違反した場合の罰則
 旅行業法3条は個人または団体が「旅行業」にあたる行為を行う場合、観光庁長官の登録を受けることを定めています。同法3条で定められた登録をしないで旅行業を行うと未登録営業となり、100万円以下の罰金に処せられます。
 なお旅行業法は旅行業を行う旅行業者等の営業所に1人以上の旅行業務取扱管理者の資格保有者の選任を定めており、同管理者の選任違反に関する罰則を定めています。

3 小活
 日本結婚相談所の調査では未婚人口は20代~50代の範囲で約2000万人。これからも婚活ビジネスは大きなビジネスとなる模様です。しかし一方で悪質な業者によるトラブルも同時に頻発し、参加者が泣き寝入りするケースが多いです。
 旅行業法による各種規制は旅行業の適正な運営を確保することで旅行者(参加者)の安全と利便の確保を企図しています。婚活イベントを行う企業の法務担当者は、イベントが特に参加者の移動や宿泊を伴う場合、旅行業法の規制対象にあたらないかアンテナを張り、同法違反かチェックする必要があります。
 なお最近では地方自治体もイベントがホームページで旅行業法にあたらないか注意喚起に勤めています。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約4年2ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] terry

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