【無印良品インド進出】海外進出と人事

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従来の対応

 海外進出して法人を新たに設立する場合、2種類の従業員が以前から存在していた。1つは本社従業員を出向させるもので、「駐在員」と呼ばれる。もう1つは、現地にいる日本人を雇う「現地採用」と呼ばれる。
 まず「駐在員」について説明する。海外で法人を設立すれば、その国の法規に服することになる。現地で義務化されている福利厚生、物価を考えると、日本本社との雇用を終了して、現地法人の雇用に切り替えるのが会社のコスト削減に繋がることが多い。もっとも日本には解雇規制が労働契約法16条(元々は判例法理)にあるため、多くの企業は元の会社に従業員を在籍させつつ出向という形をとってきた。出向(労働契約法14条)の場合、従来の給与を維持したまま更に出向手当がつく。さらに海外ということで、この手当は国内転勤・出向の時よりも高額の傾向がある。そこでコスト削減のために、駐在員を減らす傾向にある。例えばベトナムなどの発展途上国の場合、駐在員1~3名で、3~5年で日本に帰国させることが多い。
 一方で「現地採用」として現地の日本人を雇う場合、1~5名ほど雇い、10~100名の現地人の管理、簡単な事務を任せることが多い。これは正社員にすると日本の法規により福利厚生で負担が重くなること、現地価格の賃金にすることで支出を抑えたいことが背景にある。現地採用には日本の労働契約法の適用もないため、育てるという観点もそれほど強くない。したがって簡単な事務をまかせ賃金も安く、日系人は期間の定めのある契約となることが多い。
 <労働契約法>
第14条 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。
第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

コメント

 もっとも、私は現地採用を見直すべきだと考える。具体的には本社へ向かえ入れる道を作るか、賃金を上げることである。その理由は現地採用従業員こそが、現地人の管理をして現地の実情を捉えているからである。駐在員は数年で日本に帰国することから、現地のニーズ、現地人の気質を把握しきれない。それに対して、現地の日本人は解雇規制のない状況下で仕事を継続しているため、常に解雇と隣あわせであり、自分のスキルを磨き将来を意識している。また現地人と直に接する時間が長い分だけ、現地のニーズ、状況を把握している。このような人材の待遇をよくすることで自社文化とは異質の日系人を取り込むことができ、会社に新たな刺激を与えるのではなかろうか。

関連サイト

「世界色々雑学ランキング」(外務省)

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