労働者派遣法改正法成立も、製造業・登録派遣禁止は見送りに
2012/04/05 労務法務, 労働者派遣法, その他

労働者派遣法改正法成立も、製造業・登録派遣禁止は見送りに
事案の概要
3月28日の参議院本会議で、労働者派遣法(正式名称:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律)の改正案が可決、改正法が成立した(関連リンク1)。
改正のうち、特に注目すべき内容は以下のとおりである(参照条文は、改正後のもの。関連リンク2および3参照)。
1.マージン率の公開(第23条の3) | 2.派遣に関する料金の明示(第34条の2) |
3.日雇い労働者(30日以内の期間を定めて雇用される労働者)派遣の原則禁止(第35条の3) | 4.違法な派遣がなされたとき、派遣先企業が労働者に直接雇用契約を申し込んだとみなす制度(みなし契約制度)を導入(第40条の6) |
所感
そもそも、本改正の趣旨は労働者派遣に対する規制の再強化であったはずである。
すなわち、非正規雇用の増加が今般のさまざまな社会問題(所得不均衡、少子化など)の原因のひとつであるとの前提に立ち、派遣業の再規制により正規雇用を促進するとの目的の下に、内閣提出案の段階では以下の内容が盛り込まれていた。
1.製造業に関する派遣の禁止
2.登録型派遣の禁止
これらが実現していれば、当否は別としても今回の法改正は大きな意味を持ったはずであるが、この内容では法改正の意味は大幅に減退したといわざるを得ない。
ねじれ国会の影響ということで片付けてよいものだろうか。
確かに、情報公開制度の整備など評価すべき点もあるが、日雇い労働者の就業や、性質上一回的な雇用(たとえばイベントスタッフの応募)を困難にするなど、問題点も目立つ。
早期の更なる見直しが期待される。
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