実は当初予定より前倒し?
2011/09/01 法務相談一般, 民法・商法, その他

制度の経緯
東日本大震災からの復旧・復興支援のため、東北地方(水戸エリアの常磐道含む)を発着するトラック、バス(中型車以上)について、高速道路が無料開放されるとの発表が6月8日になされ、同月20日から実施された。
しかし、復旧・復興の真っただ中であるにもかかわらず、9月1日午前0時をもって、トラック・バスに関する無料化措置は終了した。この無料化措置終了は、当初の予定通りのものであると発表されている。
本当に予定通り?
発表では、当初の予定通りの終了であると示している。たしかに、6月8日発表の資料にも、「当面無料開放する」と記載しており、その当面の期間の末日が「8月末」となっている。とは言え、復旧・復興が目的であれば、この目的が達成される目処が立つぐらいまでは、無料化を続けるはずである。しかし、現実には、まだまだ支援の手が必要でトラック・バスの無料化は必要なはずである。それにも関わらず無料化を終了させようというのは、制度悪用に対する対処と考えるべきであろう。
現在の無料化措置であると、高速道路の入口か出口のどちらかが被災地圏内の高速道路であれば、被災地と無関係な走行部分についても全額無料とされる。そのため、理屈の上では、九州地方や中国地方から来て東京に荷物を届けるトラックが、東京で高速道を降りずに水戸まで進んで、ここで降りることでも高速道路料金を無料とすることができるのである。この制度を利用し、復興と無関係なトラックが高速料金を支払わないで高速道路を利用することが、無料化措置の悪用と言われるものである。
我慢すべきだった
この無料化措置を悪用すれば、運輸会社としては経費を減らせるし、ドライバーは臨時収入を得られることになる。そこに魅力を感じるな、ということは難しいであろう。しかし、その欲望に従って行動することで、本来利益を得られるべき人が利益を得られなくなってしまうことまでは許されない。国を挙げて復興を支援すべきときに、それを自分達が阻害してしまわないか、考えるべきではなかったか。
関連リンク
NEXCO東日本
国土交通省 報道発表資料
関連コンテンツ
新着情報

- セミナー
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【オンライン】新サービス「MNTSQ AI契約アシスタント」紹介セミナー
- 終了
- 2025/04/22
- 14:00~14:30

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 終了
- 視聴時間53分

- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士
- 片山 優弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階

- まとめ
- 今年秋施行予定、改正景品表示法の概要2024.4.25
- 昨年5月に成立した改正景表法が今年秋に施行される見通しです。確約手続きの導入や罰則規定の拡大...
- 弁護士
- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード

- ニュース
- アウトドア用品大手パタゴニア、雇い止め訴訟が和解2025.4.28
- NEW
- アウトドア用品メーカー大手「パタゴニア・インターナショナル・インク」の日本支社に、無期転換前に...

- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード