イギリス – 会社規模の判定基準の引き上げ
2025/06/26 海外法務, コンプライアンス

はじめに
世界的に、企業にはより高度なガバナンスが求められるようになっており、法務や管理部門担当者は、これまで以上に注意深く対応する必要があります。
Mercatorは、180以上の国・地域で顧客企業にサービスを提供してきた実績をもとに、海外の事業運営に影響を与える企業法務の最新動向をお届けします。
当社の専門的な知見を活かし、複雑な規制要件への対応やコンプライアンス体制の構築をサポートいたします。
イギリス政府は、新たな法律となる「2024年会社(会計および報告)(修正および経過措置)規則」を採択、公表しました。これにより、会社の規模判定基準および報告要件に大きな変更がもたらされます。
主な変更点
1.施行日:新規則は、2025年4月から施行されます。
2.判定基準の引き上げ:会社の規模判定基準が引き上げられ、多くの企業にとってコンプライアンス要件が変更される可能性があります。
3.取締役報告書:取締役報告書に関する一部の要件が削除されます。
企業への影響
本変更は、2025年4月6日以降に開始される会計期間に適用されます。旧基準のもとで該当していた企業が、異なるカテゴリーに分類される可能性があり、コンプライアンス要件の軽減という恩恵を受ける場合があります。
経過措置
2025年4月6日以降に開始される会計年度については、企業は会社規模を判定する際、前会計年度に新しい基準が適用されていたとみなすことができます。この経過措置により、企業は法改正の施行直後から引き上げられた判定基準の恩恵を直ちに受けることができます。
新たな会社規模の判定基準
グループ企業における新たな規模判定基準。親会社については、次のグループ基準が適用されます。

再分類された企業にとっての主な利点
• 小規模企業:法定監査の免除(グループ構成の影響を受ける場合あり)および戦略報告書の作成義務免除。会計処理の簡素化。
• 極小企業:取締役報告書の作成義務の免除
• 中規模企業:戦略報告書に関する特定の要件(会社法第172条(1)の記述など)の免除
報告要件の削減
大規模および中規模企業は、取締役報告書に次の事項を含める必要がなくなります。
• 金融商品に関する情報
• 会計年度末後の重要な出来事
• 将来の見通し・展開に関する記述
• 研究開発活動
• イギリス国外にある支店に関する情報
• 障がい者の雇用状況(小規模法人でも削除)
• 従業員、顧客、サプライヤーとの関与・関連性
企業の対応
1. 新たな基準に基づいて、自社の分類を評価すること
2. 適用可能な免除措置および簡素化された報告の機会を検討すること
3. 報告およびコンプライアンス要件の変更に備えて計画を立てること
4. グループ構成や子会社への影響を考慮すること
次のステップ
企業はこれらの変更を慎重に精査し、2025年4月6日以降に開始される会計年度における報告義務への影響を考慮する必要があります。
変更に関する詳細情報やサポートが必要な場合は、mercator@citco.comまでご連絡ください。
複数の国・地域をまたいで企業法務を適切に行うには、専門知識やリソース、常時の監視体制が求められます。
Mercatorは180以上の国・地域で対応が可能なネットワークを通じて、以下のサービスを提供しています:
• 海外子会社の企業法務の管理
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• リアルタイムでのコンプライアンス監視
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お問い合わせ先
本記事はMercator® by Citco (Mercator)が作成したものです。記事内容に関するご質問・お問い合わせは、下記までご連絡ください。
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