ネット決済はこれで安心?
2011/07/04 消費者取引関連法務, 資金決済法, IT
決済代行業者登録制度
2011年7月1日から、決済代行業者登録制度が開始した。これは、パソコンおよび携帯電話等のモバイル端末からネット取引を行う場合に用いられる決済手段の1つであるクレジットカード決済について、その取引決済を代行する事業者の任意の登録制度を設け、その制度の趣旨に賛同する事業者を登録し、ネット上に事業者の情報を公開するものである。
制度発足の経緯
インターネットにおける商取引は、近年大きく伸長している。それに伴い、インターネットを巡る消費者トラブルも数多く発生している。中でも出会い系サイト等のトラブルであれば、取引額が高額になるため、深刻な事態となる。
その深刻さとは反対に、決済手段であるクレジットカード取引がどのような契約関係で成立しているかは、表面的にはわかりにくい。そのため、消費者トラブルの解決はスムーズには行えなかった。
このような状況を受け、消費者庁及びインターネット消費者取引研究所において、決済代行業者の介在等を分かりやくすく表示する旨の提言が行われ、その提言に基づいて、消費者トラブルをスムーズに行うために、本制度が発足した。
過信はできない
本制度は、消費者トラブルの解決をスムーズに行うために、分かりやすい表示をすることを目的とするものであり、登録を受けた決済代行業者の事業活動全般の適法性及び適正性や、登録を受けた決済代行業者が関与する個々の取引の適法性及び適正性を保証するものではない。そうであれば、この制度はトラブル発生によるリスクを軽減することはできても、トラブル発生そのものを減少させられるかは不明である。また、登録は任意であるので、制度が発足しているだけでは、有効な手段とならない。
従来に比べれば、インターネット取引から生じるリスクは減少するであろうが、すべてが解決されるわけではないので、過信は禁物である。
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消費者庁
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