コロナ社にカヤバ社、下請業社への金型無償保管で公取委が勧告/23年以降15件目
2025/04/28 契約法務, コンプライアンス, 下請法, メーカー

はじめに
金型保管をめぐる下請法違反の事例が相次いでいます。
暖房機器などの製造・販売を行う「株式会社コロナ(新潟県三条市)」に対して、公正取引委員会は下請法違反(利益提供要請の禁止)があったとして、4月18日に再発防止などを求める勧告を出しました。
この勧告の約1週間後の24日には、油圧機器大手の「カヤバ株式会社(東京都港区)」が下請事業者に金型などを無償で保管させ下請法に違反したとして、再発防止を求める勧告が出されています。
コロナ社、長期間発注なく保管させた
公正取引委員会などの発表によりますと、コロナ社はストーブやエアコンなどの製造を委託している33の下請事業者に対して、遅くとも2023年3月以降、長期間発注しないにも関わらず、合わせて1818個の金型などを無償で保管させていたということです。
保管を行った下請事業者は倉庫等で金型などを保管。重さ数百キロ相当のものが多かったといいます。中には最後の発注が1989年だった下請事業者もあり、最長で30年以上も無償保管させていたケースもあったということです。
公正取引委員会は不正に保管させた費用相当分の支払いと、再発防止を勧告しました。
今回の公正取引委員会からの調査や勧告を受けて、コロナ社は下請事業者との間で協議を始めています。
今後、不当に保管させた費用相当額の支払いを進めていくほか、次回以降の具体的な発注時期を示せない金型などは廃棄の対応を既に実施していると発表しています。
コロナ社は「当社は本勧告を厳粛に受け止め、今後の取引において同様の問題が発生することのないよう、勧告内容を全役職員に周知徹底するとともに、下請法遵守の社内教育の実施やチェック体制を強化するなど社内体制を整備し、コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めてまいります」とコメントしています。
カヤバ社は約50年前から金型無償保管させた疑い
4月24日には、車や建設機械の油圧機器大手カヤバ社に対しても、「下請事業者に無償で金型などを保管させていた」として、公正取引委員会が下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)を認定し、保管費用の支払いや再発防止などを求める勧告が出されています。
公正取引委員会の発表などによりますと、遅くとも2023年4月以降、油圧機器の部品などの製造を委託していた下請事業者167社に対し、新たな発注の見込みがないにも関わらず、5700以上の金型などを無償で保管させていたということです。
金型は自動車やバイクなどの部品に使用される油圧機器製造に用いられるもので、重さが約4トンに及ぶものもあったといいます。中には、1968年から保管を続けていた下請事業者もみられました。
そのため、公正取引委員会は、保管費用の速やかな支払いや再発防止を求める勧告を出しました。
また、カヤバ社が所有する金型のほか、事業者側が費用を負担し造り直し、所有していた金型などの保管についても、管理を「カヤバ」が行っていたことから、公正取引委員会は今回初めて違反行為と認定しました。
カヤバは自社ホームページで今回の勧告を受け、対象となる下請事業者との間で協議を行い、適切な保管費用の支払いをしていくと発表。またコンプライアンスの強化と再発防止に努めると謝罪しました。
コメント
下請法では、下請事業者に対して不当に経済上の負担を強いることを厳格に禁じています。いずれの事案でも、発注の見通しがないにも関わらず、重く大型な金型を長期にわたり(中には数十年以上)無償で保管させ続けた点が問題視されました。
金型などの無償保管に関する勧告は2023年3月以降では、カヤバ社の事案で15件目だということです。
下請法違反への取り締まりが強化されているように見える昨今、今後、金型や治具、工具などの保管・管理に関して、明確な発注予定の有無や保管契約の締結、保管費用負担のルール整備が重要となります。
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