児童ポルノ禁止法違反容疑の毎日新聞社員を書類送検
2025/04/14 労務法務, コンプライアンス, 危機管理, 労働法全般

はじめに
18歳未満の少女に現金を渡して性的な行為などをしたとして、株式会社毎日新聞社の社員の男(56)が、4月8日、警視庁に児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの疑いで書類送検されていたことが分かりました。
未成年と知りながら行為に及んだか
書類送検されたのは、毎日新聞社の社員の男(56)です。事件があった2024年9月当時、男は毎日新聞社の持ち株会社である株式会社毎日新聞グループホールディングスで内部監査室長を務めていました。
報道などによりますと、男はインターネットの出会い系サイトを通じて知り合った未成年の少女に、18歳未満であると知りながら現金を渡し、都内のホテルで性的な行為をした児童買春の疑いが持たれています。
男はさらに少女にわいせつな画像を撮らせ、自身のスマホに送信させたとされており、児童ポルノ禁止法違反の容疑もかけられています。
男は自ら、行為を申告し出頭。4月4日に書類送検されていたということです。
毎日新聞は自社の報道で「当社社員が書類送検されたことは誠に遺憾です。事実確認を急ぎ、厳正に対処します」とコメントしています。
過去には、役員らが未成年へのわいせつ行為で逮捕された事例も
警視庁発表の資料によると、2023年の児童買春事犯等(児童買春、不同意わいせつ、不同意性交、淫行させる行為、みだらな性行為等)の検挙件数は4418件と前年から6.6%増加。過去10年間をみても、検挙件数はおおよそ4100件から4500件で推移しており、毎年多くの被害者が生まれていることがわかります。
こうした背景もあり、過去にも企業や自治体の職員が未成年者にわいせつな行為などをして逮捕される事例が報道されています。
○香川県・会社役員の男逮捕
2025年4月8日に、会社役員の男(43)が児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで逮捕された事案です。男は出会い系アプリで知り合った岡山県の女子高校生(当時16歳)が18歳未満であると知りながら、少なくとも5万円を渡し、わいせつな行為をした疑いが持たれています。
○県立広島病院の元男性医師が逮捕
元医師が、2018年10月から2020年6月までの間、少女ら11人を相手に買春などを行い、その様子を撮影し児童ポルノを製造したとして、児童買春と児童ポルノ法違反などの罪で逮捕された事案です。
少女らは当時12歳から17歳までの未成年でした。2021年に裁判所は男に対し懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しています。
この判決を受けて厚生労働省は2025年3月26日に男の医師免許の取り消しを発表。「医師としての社会的信用を失墜させた」などと強く批判し、同年4月2日に免許取り消し処分が決まりました。
従業員が児童買春等を犯した場合の処分
前述のとおり、検挙件数が毎年4000件を超える未成年への性犯罪には会社の社員、役員らが関与していることもあります。
こうした事案においては、痴漢事件と同様に「懲戒解雇」などの処分が検討されることがあります。懲戒処分の有無や内容は、就業規則に基づいて判断されることになりますが、以下の要件を満たす場合には懲戒解雇が適用される可能性が高くなります。
・就業規則に懲戒解雇の定めがある
・当該性犯罪行為が懲戒解雇に該当すると認められる
・社会通念上、懲戒解雇が相当と判断される
特に未成年に対する性犯罪は、その悪質性と被害の深刻さから、「社会通念上相当」な処分として懲戒解雇が認められやすい傾向にあるようです。
また、事件が報道された場合には、企業が信頼回復の一環として、速やかに内部処分を行うことも少なくありません。
企業は、就業規則の見直しやコンプライアンス教育の徹底に加え、万が一の事案発生時には速やかに内部調査と処分を行う体制を整えておくことが重要です。
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