裁判員制度の改善へ日弁連からの提言
2011/06/19   訴訟対応, 民事訴訟法, その他

裁判員制度の改善へ日弁連からの提言

日弁連こと日本弁護士連合会は、裁判員経験者の守秘義務を緩和した裁判員法改正案を近く最高裁と法務省に提言することがわかった。

日弁連の改正案では、裁判員が事件関係者の個人情報などを漏らした場合の罰則は残す一方で、罰則の対象となる「評議の秘密」の範囲を「意見を述べた者の氏名、年齢、性別、容貌など本人を特定する事項を示して漏らした時」に限定している。

また、現在、裁判員が判決後に、判決に対する意見等を言うことは禁じられているが、判決の10年後以降は、守秘義務を解除すること等も求めている。
さらに、政府・最高裁・日弁連による裁判員制度の調査研究機関の設置も提言している。こうした機関が経験者から意見を聞く際は守秘義務違反による罰則を適用しないことも併せて求めるようだ。

裁判員法

裁判員が職務の中で知った秘密(評議での意見や賛否の人数、判決に対する意見等)を漏らした時は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金を科すと規定している。
これらの行為は、裁判が終了した後も同様に罰せられる。

雑感

裁判員制度が始まって2年。多くの人の戸惑いの中でスタートした同制度も、今や淡々と運用がなされている印象だ。そんな中、日弁連は、裁判員の守秘義務を緩和して、判決後の検証機会を設けることで「ブラックボックス」とも揶揄されている裁判員による評議の内容把握・改善を目指すつもりのようだ。
弁護士の立場からすれば、どのような判断基準で判決が形成されて行くのかがわからない状況では、弁護活動の指針が立たないというところだろうか。

一方で、後々に自分の意見が検証の対象とされるという状況で、裁判員が自由な議論が行えるのかという疑問、政府・最高裁・日弁連により改善の手が加えられることで、裁判員制度の肝である「市民感覚の導入」という本来の趣旨から離れてしまうのではという疑問がわく。

「市民感覚に基づく自由な議論」と「法律の専門家から見た適切な結論」。
果たして、この二兎を追うことは可能なのだろうか。制度開始から二年が経った裁判員制度は新たなステージに挑むことになる。

上間法務行政書士事務所
行政書士 齊藤 源久(さいとう もとひさ)

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