オーガニック詐欺?オーガニック石鹸の落とし穴
2011/06/13 薬事法務, 民法・商法, メーカー

オーガニックだから大丈夫・・・?石鹸の使用法にご注意
今年5月、茶葉等の天然成分を配合しているとして人気の石鹸、「茶のしずく」石鹸について一部小麦によるアレルギー反応を起こす成分が配合されているとして、製造販売業者である株式会社悠香は旧製品を自主回収した。
近年人気のいわゆるオーガニック石鹸については、上記のアレルギー以外にも、使用方法について様々な法規制があるものの、これらの法規制が十分に機能していないことによる被害が多発している。
おいしそう・・・誤飲・誤食の増加
幼児が石鹸を菓子や飲料と間違えて食べたり飲んだりしてしまうという事故は、近年に限ったことではないが、オーガニック石鹸の浸透によって幼児のみならず高齢者やペットによる誤飲・誤食が増加している。実用的かつ華やかな見た目からプレゼントとして用いられることの多い石鹸であるが、お年寄りや子供、ペットなどは、パッケージの注意書きに気づかず、お菓子と誤解してしまうケースが多いという。特にオーガニック石鹸は素材本来の香りを残したものも多く、昔のように石鹸独特の香りがしないため、匂いによる判別も困難となっている。石鹸の販売については、薬事法または家庭用品品質表示法によって、注意書きをすることが義務付けられているが、そのような注意書きによっても、事故は防げていない。消費者庁は、使用者に注意を喚起するとともに、事業者へ表示を強調するように要望している。
オーガニックの落とし穴
オーガニック石鹸のブームにのり、石鹸を手作りすることを趣味が広がり、インターネットで個人で手作り販売するネットショップも多々見かけるようになった。しかし、これを購入した使用者が身体に使用し肌荒れなどの被害に遭い販売者に訴えるも責任を追求できないという事態が少なからず生じている。
石鹸は、大きく身体や皮膚に使用する化粧石鹸や浴用石けんと家庭用のモノを洗うことを目的とした洗濯石鹸・食器用洗剤に分けられ、これらの販売について、前者は薬事法に基づく厚生労働大臣の許可が、後者は家庭用品質表示法に基づく責任主体の表示が義務付けられている。
手作り石鹸を販売する場合の多くは、後者の家庭で使用される洗濯石鹸・食器用洗剤を用途としており家庭用品品質表示法の表示をしている。
しかし、手作り石鹸販売者は天然素材由来によるヘルシーさを売りにしており、このヘルシーさに安心した消費者が手作り石鹸を身体に使用してしまうことが多い。これについて業者は小さな文字で身体に使用する場合は自己責任でといった免責条項を設けており、被害者は責任追及ができない状況となっている。また、個人による一時的な販売であることも多く石鹸の販売を「業としている」とは言えずPL法の適用がなされず、民法上の損害賠償の途しか残されていないといった状況となっている。
安全・安心あってのヘルシー
近年の健康ブームの高まりのなかで、オーガニック石鹸は特に女性に人気があり、趣味や贈答用、自己使用として広く浸透しつつある。その反面「オーガニック」という字面を安易に信用し、薬事法や家品法による規制の趣旨が見過ごされてしまう事態が生じている。事業者は、「ヘルシー」を売りにする以上、適法である他に企業倫理の一環として商品の安全・安心な使用方法についても取組むことが要請される。
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