デザインフェスタで販売の食中毒マフィン、厚労省が健康危険度CLASS1に分類
2023/11/20 コンプライアンス, 危機管理, 行政対応, 食品衛生法, 外食, 小売

はじめに
「納豆のような臭いがする」。アートイベント『デザインフェスタ』で焼き菓子店が販売したマフィンを食べた客が次々と食中毒を訴えた問題で、厚生労働省は11月16日までに、リコール対象事案として公式ホームページに掲載しました。ネット上で“デスマフィン”とも揶揄されたマフィンの健康への危険性はCLASSIと分類。フグに匹敵する評価となりました。
マフィンから納豆のような臭い
東京都目黒区などの発表によりますと、リコール対象事案として掲載されたのは、11月11日・12日の2日間にわたり東京ビッグサイトで開催されたアートイベント『デザインフェスタ』に出店していた焼き菓子店、「Honey×Honey xoxo(ハニー・ハニー・キス)」が販売したマフィンです。
購入者から区の保健所に対し、「納豆のような臭いと糸を引いているのを確認した」などの申し出があったほか、食後に腹痛などの症状を訴えた人が複数確認されたということです。
マフィンは、出店5日前の11月6日から店主1人で製造し、イベント期間中、9種類・約3000個が販売されたといいます。
14日には、店からも保健所に相談。保健所は、翌日15日に立ち入り検査を行い、原因を調査しています。
なお、同じブースにて販売されていたマフィン以外の焼菓子については、体調不良を引き起こしたなどの報告は今のところないということです。
食品リコール クラス分けとは
この事態を受け、厚生労働省は11月16日までに本件をリコール対象事案として公式ホームページに掲載しました。さらに、マフィンの健康への危険性について「CLASSI」と分類しています。
このクラス分けは、回収対象となった製品が健康へどの程度危険な影響を与えるのかを、I〜IIIのレベルに割り当てて周知するものです。その中で「I」が最も重い内容となっています。直ちに分類ができないケースでは基本的にClassⅡに分類されますが、
・重篤な健康被害が発生している場合
・調査後に食中毒として特定された場合
などは、CLASSIに分類されるとしています。
CLASSI
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食中毒発生時の対応
万が一、運営する飲食店や、イベントの出店で食中毒の疑いがあるという主旨の連絡が入った場合に、企業はどういった対応をするべきでしょうか。
連絡が入った段階では、本当に自社のメニューが原因なのか分からないことが多いと思います。まずは冷静に顧客の来店の日時や飲食した場所・店舗、食事をしたメニュー、症状がいつから発症し、どういった内容なのか、また同伴者がいれば同様の症状が出ているのかなどを確認します。
また、従業員が味見やまかないなどで、客からの申し出のあった食事をとっていた場合に同様の症状がないか確認しましょう。念の為、疑いの持たれる日に使用した食材が残っていたら、保存しておくことで原因究明に活用することができます。
食中毒と判明したら、自治体や厚労省などに連絡し、場合によっては立入検査を受けることがあります。また被害が大きい場合、被害者と賠償金について話し合う可能性も否定できません。医療費のほか、仕事を休んだ場合には休業損害や慰謝料などの請求があることがあります。
示談となるケースが多いそうですが、亡くなった人がいた場合など被害規模が大きい場合には訴訟を提起されることがあります。
コメント
直近でも、お弁当や宅配牛乳など、さまざまな食品の販売で食中毒が起こっています。夏に限らず、保存方法の誤り等により食中毒が発生する危険性がある点に要注意です。発生予防を第一としつつ、万が一の食中毒発生時に迅速な対応が取れる体制づくりも重要といえます。
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