SBIフューチャーズ株式会社株式に係る内部者取引に対する課徴金納付命令の決定について
2011/01/07 金融法務, 金融商品取引法, 金融・証券・保険

事実
被審人は、平成21年4月17日、その発行する株式が大阪証券取引所ヘラクレス市場(当時)に上場されていた(平成21年7月28日上場廃止)SBIフューチャーズ(株)と株式交換比率算定に係る業務委託契約の締結の交渉をしていた者から、同人が同契約の締結の交渉に関し知った、SBIフューチャーズ(株)の業務執行を決定する機関がSBIホールディングス(株)と株式交換を行うことについての決定をした旨の事実の伝達を受け、この事実の公表がされた平成21年4月27日より前の同月21日から同月24日までの間、自己の計算において、SBIフューチャーズ(株)の株式合計6株を買付価額14万8020円で買い付けた。
金融庁の決定
金融庁は、証券取引等監視委員会から、SBIフューチャーズ(株)株式に係る株式交換比率算定補助業務従事者からの情報受領者による内部者取引の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成22年11月26日に審判手続開始の決定(平成22年度(判)第32号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法第178条第1項第16号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金融商品取引法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、平成22年12月27日、下記のとおり決定を行った。
(審判手続開始の決定)
第百七十八条 内閣総理大臣は、次に掲げる事実のいずれかがあると認めるときは、当該事実に係る事件について審判手続開始の決定をしなければならない。
十六 第百七十五条第一項(同条第九項において準用する場合を含む。)又は第二項に該当する事実
(決定案の提出)
第百八十五条の六 審判官は、審判手続を経た後、審判事件についての決定案を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
決定の内容
(1)納付すべき課徴金の額金10万円
(2)納付期限平成23年2月28日
課徴金の計算の基礎
金商法第175条第1項第2号に基づき、課徴金の額は、
(重要事実が公表された後2週間における最も高い価格)×(買付株数)
-(買付価格)×(買付株数)
となる。
したがって、重要事実の公表後2週間における最も高い株価は、平成21年5月11日の42,550円であることから、課徴金の額は次のとおりとなる。
(42,550円×6株)-(24,000円×1株 + 24,510円×2株 + 25,000円×3株)
=107,280円
課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、10万円となる。
第百七十五条 第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、同条第一項に規定する売買等をした者があるときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、その者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額(次の各号のうち二以上の号に掲げる場合に該当するときは、当該二以上の号に定める額の合計額)に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
二 第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において有価証券の買付け等(同条第一項に規定する業務等に関する重要事実の公表がされた日以前六月以内に行われたもの(当該公表がされた日については、当該公表がされた後に行われたものを除く。)に限る。以下この号において同じ。)をした場合 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額
イ 当該有価証券の買付け等について業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も高い価格に当該有価証券の買付け等の数量を乗じて得た額
ロ 当該有価証券の買付け等について当該有価証券の買付け等をした価格にその数量を乗じて得た額
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階

- セミナー
松尾 剛行 弁護士(桃尾・松尾・難波法律事務所/第一東京弁護士会)
- 【オンライン】2040年の企業法務への招待。〜松尾剛行先生に聞く、AI による法務業務の効率化とその限界〜
- 終了
- 2025/03/06
- 12:00~13:00

- 業務効率化
- 法務の業務効率化

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード

- ニュース
- 最高裁、父親の性的虐待で賠償認めず、民法の除斥期間とは2025.4.23
- 子どもの頃に性的虐待を受けたとして40代の女性が父親に損害賠償を求めていた訴訟で16日、最高裁...

- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...
- 弁護士
- 松田 康隆弁護士
- ロジットパートナーズ法律会計事務所
- 〒141-0031
東京都品川区西五反田1-26-2五反田サンハイツビル2階

- 解説動画
奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間