アマゾンが日本に納税へ、企業に課される法人税について
2019/12/26 税務法務, 租税法, 税法

はじめに
インターネット通販最大手のアマゾンは日本国内での販売額を日本での売上に計上し、日本で法人税を納付する方針に転換していたことがわかりました。すでに計約300億円の法人税を納付しているとのことです。今回は企業が納付すべき法人税について見ていきます。
事案の概要
報道などによりますと、アマゾンの日本法人であるアマゾンジャパンは米国法人から業務委託を受けるという形で日本国内で事業を展開し、日本での取引先とは米国法人が契約を締結しておりました。そして日本での売上高も米国法人が米国で計上していたとされます。日本法人であるアマゾンジャパンは米国法人から業務委託報酬を受けるという形で運営しており、日本国内での収益と税負担を軽減していました。しかし今後日本国内での事業を拡大するに際して、契約当事者が米国法人では不都合が多く、今後日本法人が主体となり、納税の適切に行っていく方針に転換したとのことです。
企業が日本で収めるべき税金
日本国内で企業が事業活動を行っていく上で様々な税金を負担することとなります。代表的なものとしては法人税がありますが、国に納付する法人税以外にも地方法人税、法人県民税、法人市民税があります。またそれ以外にも源泉所得税、住民税、不動産取得税、固定資産税、事業所税、などが挙げられます。会社の利益に課税される法人税関係だけでも毎事業年度ごとに税務署だけでなく県や市に対しても申告と納付が必要となってきます。以下法人税について具体的に見ていきます。
法人税とは
法人税とは法人が事業活動によって得た所得に課税される税金です。対象となる法人は会社などの普通法人以外にも組合や自治会などの権利能力なき社団、公益法人などです。公益法人の場合は公益目的事業ではなく収益事業を行った場合に課税されます。そして対象となる所得は益金から損金を控除したものとなります。個人に対して課税される所得税と違い累進課税ではなく会社の規模と収益額で税率が決まります。国税庁のHPによりますと、現在の税率は①資本金が1億円以下で年間所得が800万円以下の場合は15%、②800万円を超える場合は23.2%、③資本金が1億円を超える場合も23.2%となっております。申告は毎事業年度終了翌日から2ヶ月以内に行う必要があります。
法人税法に違反した場合
法人税法に違反する行為としては「過少申告」「無申告」「不納付」があります。これらが行われた場合、行政処分として加算税が課されることとなります。加算税とは本来の税額にさらに課されるもので、過少申告と不納付の場合は10%、無申告の場合は15%が課せられます。なおここで粉飾や所得の隠蔽といったいわゆる脱税行為がある場合には重加算税としてさらに35%ないし40%が過重されます。さらに悪質な場合には罰則として10年以下の懲役、1000万円以下の罰金またはそれらの併科が科される可能性もあります(159条~163条)。
コメント
本件でアマゾンはこれまで日本での売上は米法人の収益として計上し、日本法人は業務委託報酬を受けるという形で税金を抑えてきました。これに対しては批判の声も強く、今後の日本での事業を見据えて日本での売上は日本法人で計上し、適切に法人税を日本に収める方針に転換したとされます。以上のように日本で法人として事業活動を行っていくうえでは様々な税金が課されることとなります。申告や納税を怠った場合には相当重いペナルティが課されることとなります。検察庁の統計では税法違反で告発された事例のうち不起訴となる例はほとんど無いとされます。急速に収益を伸ばすベンチャー企業ほど所得を過少に申告するなどといった違反事例が多くなる傾向にあると言われております。しかし税務当局はそういった急成長しているところをより注目して調査を行っているとされます。適切に売上を計上して申告ができているか、今一度確認しておくことが重要と言えるでしょう。
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