福井銀行がPFUのe-文書ソリューションを採用、ペーパーレス化について
2017/05/18   契約法務, 法改正

はじめに

先月13日、株式会社PFUは株式会社福井銀行がPFUの「e文書ソリューション」を採用したと発表しました。IT技術が発達している昨今では、企業でもペーパーレス化が進んでいます。今回は企業における文書の電子化についてみていきます。
文書の電子化・活用ガイド(経済産業省)
【電子化ラボ】e文書法の基本まとめ

関連法令等

●e文書法で書類の電子化が原則可能
従来企業における文書は紙媒体で保存されていましたが2005年のe文書法施行により、法的に保存義務がある文書については原則として電子化保存が可能になりました。e文書法は通則法と整備法からなります。通則法の対象となる法律は約250に及びます。
●e文書法の対象外となる文書
緊急時に即座に見読可能な状態にする必要があるもの、現物を携帯している事が重要な書類、条約による制限があるものはe文書法により電子化が許される書類の対象外であり、従来通り紙による保管が必要です。
●平成27年改正
契約書・領収書等について3万円以上のものについては書面での保存が義務とされていましたが、改正により「3万円未満」のみ電子化が可能という要件が廃止されました。また入力者等の電子署名が不要になりタイムスタンプと入力者情報の確認でよくなるなど大幅な改正がありました。
●平成28年改正
従来までは固定型スキャナでの電子化のみが可能でした。平成28年改正ではデジカメやスマホでの読み取りが可能になりました。
紙文書保存の規制を緩和するe-文書法
民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)
民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成16年法律第150号)

電子化のメリット

●時間の節約
紙媒体にまつわる面倒な手間を省くことで迅速な契約締結が可能になり、特に海外企業とのやり取りでは大きな効力を発揮します。また、検索性に優れ、編集が容易なことから作業時間の短縮には大きな効果を発揮します。
●保管コストの節約
紙媒体の資料では物理的なスペースを確保せざるを得ません。保管スペースの確保自体にお金がかかることもあるでしょうし、文書の検索・運搬・廃棄といった場面でもコストがかかります。文書の電子化によりこのようなコスト削減できます。
●印紙代の節約
印紙税法上、印紙税は「文書」に対して課される税金です。そのため、電子メールやFAXなどの電子データで送付された「電子契約書」には課税されません。課税文書を用いた契約(請負契約や不動産売買契約など)においては、電子化により大きな節税効果が期待できます。
●企業の競争力向上
電子化によるコスト削減・業務の効率化は、顧客満足度の向上や生産性の向上にもつながります。これらは、結局企業の競争力の向上につながります。
●クラウド化によるメリット
紙媒体での文書保存には災害や不手際による書類紛失のリスクが有りました。電子化に加えてクラウドシステムなどを利用して、外部サーバーに保存をしておけばそういった書類紛失のリスクは減るでしょう。ただし、セキュリティや機密性の保持のためには慎重にシステムを選択することが必要でしょう。
文書の電子化によるメリット

企業に保存が義務付けられた文書

会社が扱う文書のうち、法令等によって保存が義務付けられている文書が何なのかを判断する必要があります。それは、e-文書法に関連する約250の法令と各省令などです。電子化を行う際には自社の業種・文書の性質を考慮して、文書が関連法令のどの条文によって保存義務が認められる文書であるのかを判断する必要があります。企業に保存が義務付けらた文書は「共通文書」と「業種別文書」に大別されます。
●共通文書
共通文書は、商法や税法などが規定する全ての企業に対して共通して保存が義務付けられた文書です。例えば、会計帳簿、証憑書類(相手方から受け取った見積書、注文書、契約の申込書、送り状、納品書、検収書、請求書、契約書・領収書の一部等。自己の作成したこれらの書類の写し)、営業報告書、財産目録、付属明細書、議決権行使所、取締役会議事録、定款などです。証憑書類や議決権行使書は多数の人が紙を通じた意思表示をするという特性があるので電子化の必要性が高いといえます。
●業種別文書
業種別文書は特定の業種で固有の法律規定により企業に保存が義務付けられている文書です。
電子化が可能な代表的な文書

電子化の際の要件の確認

書類の電子化をするためには各省令が定める要件を満たす必要があります。基本的要件として、見読性、完全性、機密性、検索性を満たすことが必要になります。最も基本となるのが見読性であり、見読性のみ満たせば足りる文書から4つの要件を全て満たす必要がある場合まで、求められる要件は文書によってそれぞれです。また、各省令が定めている要件は、省令の元になる法令の目的・趣旨などに応じて、個別に定められたものです。そのため、保存のための具体的な措置や保存年数などの規定は各種法令の規定で異なっている場合があるので注意が必要です。
●見読性
電子化した文書はデータそのものは目には見えません。そのため、必要なときには人の目で見れる状態を整えておく必要があります。PCやディスプレイに表示させたり、プリンタで印刷したりといった方法での確認が多いでしょう。例えば、出力により判別できる程度の解像度に設定しておくことが見読性要件充足には必要です。経済産業省では、カラーで読み取る際には256階調で150dpi以上といった目安を提示しています。
●完全性
電子化文書には改竄か複製のリスクが懸念されます。そのため、改竄・消去の防止措置と改竄・消去等があった場合の確認措置の確保が完全性の内容です。
●機密性
機密性要件は、電子化文書に記録された事項へのアクセスを許されない者からのアクセスを抑制する措置を講じていることと定義されています。改竄・消失を防止するという完全性を保つためには他者からのアクセスを防止していく管理システムが必要です。そのための措置を機密性要件として求めています。
●検索性
検索性とは、電子化文書に記録された事項について必要な程度で検索することのできるよう、事項を体系的に校正する措置を講ずること、と定義されます。当然のことながら、文書は見ることを前提としています。そのため、実際に必要なときに閲覧できる状態であることが、見読性の要件として求められました。しかし、閲覧の以前に閲覧したい書類を発見できなければなりません。そのため、必要なときに文書を瞬時に抽出できるようにしておくというのが検索性の内容です。企業は、ファイル名、契約日時、といったインデックスで検索できるようなシステムを整備しておく必要があります。
満たすべき基本要件を理解する

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