「PPAP」 無関係企業の商標出願 商標制度について
2017/02/03   知財・ライセンス, 商標関連, 商標法

はじめに

ピコ太郎さんのヒット曲「PPAP」で使われる「ペン パイナッポー アッポー ペン」などのフレーズが、大阪府内にある無関係の企業によって商標出願されていることがわかりました。そこで、今回はこのニュースをもとに商標制度についてその概要を説明していきたいと思います。

事案の概要

人気アーティストピコ太郎さんのヒット曲「PPAP」で使用されるフレーズが大阪府内にある無関係の企業によって商標出願されました。特許や商標の検索サイト「J-PlatPat」で調べると、1月31日現在、「PPAP」や「ペンパイナッポーアッポーペン」などが商標出願されています。特許庁によると、この会社と代表の男性は毎年国内全体の約1割に当たる1万件以上を出願。同庁は昨年5月、この男性を念頭に「一部の出願人の方から他人の商標の先取りとなるような出願が大量に行われている」とホームページで注意喚起していました。 

商標出願制度の概要

1.商標とは
商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。
このような商標を財産として守るのが「商標権」という知的財産権です。

2.商標出願と登録
商標権を取得するためには、特許庁へ商標を出願して商標を登録することが必要となります。この登録にあたり日本では先願主義という考え方が採用されています。先願主義とは、同一又は類似の商標の出願があった場合に、その商標を先に使用していたか否かにかかわらず、先に出願した者に登録を認めるという考え方です。

3.審査
商標出願がなされると、出願された商標が登録できるものかどうか特許庁によって審査されます。
商標が登録できるための一般的登録要件は、商標法3条によって規定されています。しかし、一般的登録要件も満たした場合でも、商標法4条に規定された登録阻却要件に該当する場合には出願が拒絶されます。

商標法3条第1項 商標登録の一般的要件
商標登録の一般的要件(特許庁HP PDFファイル)

登録阻却要件の例
特許庁HP(リンク先 4.審査の部分)

4.商標登録の効果
審査の結果、登録査定となった場合は、その後、一定期間内に登録料を納付すると、商標登録原簿に設定の登録がなされ、商標権が発生します。
商標登録がなされると、権利者は、商標が登録された商品・役務について登録商標を独占的に使用できるようになります。また、第三者が同一の商品又は役務に登録商標と類似する商標を使用することや、類似する商品又は役務に登録商標と同一又は類似の商標を使用することを排除することができます。

おわりに

今回のように、PPAPやピコ太郎さん及び所属レコード会社と全くの無関係の企業が商標出願することは、出願人の業務に係る商品・役務について使用するものでない場合(商標法第3条第1項柱書)や、他人の著名な商標の先取りとなるような出願にあたり、商標登録されることはないとHP上で注意喚起がされています。                     
特許庁HP 自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ 
仮に、誤って商標が登録されたとしても、一般的登録要件を満たしていない又は登録阻却要件に該当する商標は、登録異議の申し立て(商標法43条の2)を行うことによって登録の取り消しを求めることが可能です。
特許庁によると、今回問題となった大阪の会社やその経営者の男性からの出願が目立つようになったのは2013年からであり、これまでにも、「北海道新幹線」「STAP細胞はあります」などが出願されていますが、これらのほとんどが出願手数料の支払いのない手続上の瑕疵のある出願であり、特許庁によりその出願が却下されています。 現行の制度では、このような無関係の商標出願を防止する制度はありませんが、特許庁は、「先に申請されていても、商標登録を断念しないでほしい」と呼びかけています。

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