口座管理は大丈夫?
2015/08/28 法務相談一般, 民法・商法, その他

口座の名義貸しで賠償義務
8月14日、東京地裁は、ロト6詐欺に際して、現金振込先として使われた口座の名義人だった会社などに対して、詐欺被害者に対する賠償義務を認めた。
ロト6詐欺とは、事前に当選番号が分かると偽の番号を伝えることで、金銭を騙し取る事件であり、被害が急増している。今回のケースでは、自社の口座の通帳・印鑑を預けたいわゆる名義貸しを行った、名義人であった会社に賠償義務を認めた点に特徴がある。
ポイント
名義貸しとは、自分の名義を他人の財産や権利のために貸すことである。銀行口座について言えば、自分の名前で作って、第三者に口座を利用させることが行われ実際に問題となっている。この行為は、元々約款によって、禁止されている。そのためか、近年、裁判所は、名義貸しに対して、厳しい態度をとってきた。 平成19年7月17日に、最高裁は、譲渡目的を秘して、銀行口座開設を申込み、預金通帳等の交付を受けた行為について、詐欺罪の成立を認めている。今回の東京地裁の判決では、当初から違法な目的で取得していない口座に関して、その後、通帳・印鑑等を安易に他人に預けることで、「過失」を認め、民事上の損害賠償義務が認められる可能性を示した。
従って、適法な目的で口座を開設していたとしても、口座管理が適切に行われておらず、安易に第三者に預けてしまえば、第三者が口座を悪用した場合には、自らが賠償義務を負うなど、紛争に巻き込まれる可能性がありうる。そのため、口座の通帳・印鑑の管理を第三者に委ねる場合、紛争のリスクを踏まえた上で、相手が信頼に足るか検討する必要がある。
コメント
裁判所は、今回のケースで、ロト6詐欺被害者救済という方向に強いメッセージを配信した。同時に、一般論として捉えると、銀行口座の名義貸しに対して、厳格に対処する姿勢を見せたといえる。今一度、口座、通帳等の管理について、適切に管理されているか、あるいは信頼できない第三者に預けるなどしていないか、確認していただければと思う。
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