マイナンバー法が与える企業への影響
2015/06/24   マイナンバー, 個人情報保護法, その他

そもそもマイナンバーとは

マイナンバー制度とは、社会保障や税、災害対策等の一定の分野における事務(マイナンバー法9条)において、住民票を有する者全てに割り振られる12桁の個人番号を用いることにより、個人の識別を行うものである。
これまでは基本4情報(氏名・住居・性別・生年月日)の組み合わせにより個人の識別を行っていたが、これらは変更が可能であり、生活保護費の二重受給等の不正行為を招いたり、また行政の非効率化も招いていた。
しかし、マイナンバーは原則としてその人が死亡しない限り変更はされない(例外として、漏えいして不正の手段に用いられるおそれがあると認められる場合は変更される。同法7条2項)。
そのため、マイナンバー制度の導入により、個人の識別を確実かつ容易に行えるようになり、行政の効率化も図れる。

企業とマイナンバーの関係

企業がマイナンバーを利用するのは、行政機関等に提出すべき書類(所得税法等の法令に基づく源泉徴収票等)に従業員のマイナンバーを記載するときなどの一定の事務に限定される(同法3条)
マイナンバーは個人情報であり、漏えいによる流出、なりすまし等の不正利用を防止する必要があるためである。
また、内閣府外局の第三者機関である特定個人情報保護委員会は、企業等の民間事業者に対して、取得・管理・委託・破棄に関する詳細なガイドラインも設けている。
企業には、これに沿って利用目的の特定や安全管理体制の構築などの対応が求められる。

マイナンバーに対して企業が負う責任

マイナンバーの取扱いにつきマイナンバー法に違反する場合、まず特定個人情報保護委員会から、是正措置を講ずるように勧告を受けることになる。そして、正当な理由なく勧告に従わない場合は、さらに是正措置をとるべきとの命令を受けるが、これに従わないと刑事罰を受けることになる(同法73条、77条)。
また、マイナンバーを利用する事務に従事する従業員が、不正の利益を得る目的で第三者にマイナンバーを提供すれば、その従業員を雇う企業も罰せれられる(同法68条、77条)。
さらに、漏えいに関しては民事訴訟上、損害賠償請求の対象になる。
この責任を回避するには、企業としては、現状においては前述のガイドラインに従うのが最善であろう。
もっとも、ガイドラインに従うとしても、企業はガイドラインの順守に多大な負担を負い、また漏えいも確実に防げるとはいいがたいため、責任を完全に回避するのは困難である。
マイナンバー法は行政側の便宜を図る部分も大きいため、政府が負担金を一部支給する等の方策で企業の負担を軽減しつつ、企業側も社員の教育の徹底化を図ること等により漏えいを防ぐ方策を講ずるなど、行政側と企業の負担のバランスを図りつつ、マイナンバーの漏えいを極限まで回避できるような制度設計が必要でなのではないか。

シェアする

  • はてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • TKC
  • 法務人材の紹介 経験者・法科大学院修了生
  • 法務人材の派遣 登録者多数/高い法的素養

新着情報

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビの課題別ソリューション

企業法務人手不足を解消したい!

2007年創業以来、法務経験者・法科大学院修了生など
企業法務に特化した人材紹介・派遣を行っております。

業務を効率化したい!

企業法務業務を効率化したい!

契約法務、翻訳等、法務部門に関連する業務を
効率化するリーガルテック商材や、
アウトソーシングサービス等をご紹介しています。

企業法務の業務を効率化

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビに興味を持たれた法人様へ

企業法務ナビを活用して顧客開拓をされたい企業、弁護士の方はこちらからお問い合わせください。