新しいタイプの商標登録出願が公開!現在の出願状況
2015/04/24 知財・ライセンス, 商標関連, 商標法, その他

出願公開公報とは
出願公開公報は、商標登録出願後、審査が終了する前に発行される公報である。このため、そこに掲載された商標は商標権が認められたものではない。これは出願後、商標登録前の同一・類似商標の使用について、出願人に金銭的請求権(商標法第13条の2)が認められることから、出願公開をする必要があるために発行されるものである(同法第12条の2第2項)。
なお、商標に関する公報は、ほかに商標掲載公報がある(第18条第4項)。こちらは商標権が認められた商標を掲載するものであり、商標権の内容を公表するものである。また、この公報の発行日から2ヶ月が登録異議の申し立て期間となっている(第43条の2第1項)。
公報の概要
新しいタイプの出願件数は、2015年4月1日から4月14日の2週間で約510件となっている。これはアメリカ(1947年~2012年2月で約1000件)、欧州(1996年~2012年2月で約1000件)の出願件数を考慮すると、かなり高い数字であるといえる。
出願の内訳は、音商標が166件、色彩のみからなる商標が203件、位置の商標が106件、動きの商標が37件、ホログラムの商標が3件である。特に音商標の出願件数は、制度開始から2週間程度であるにもかかわらず欧州の出願件数(16年で165件)を超えていることから、企業が音商標の権利化に高い関心を持っているといえる。
これらの出願にかかる商標のうち、今回の公報では色彩の商標などの一部について掲載しているほか、出願内容について公開商標公報を照会するための特許情報プラットフォームの利用方法も掲載している。
なお、音商標については、出願人から音声データの提出を受けてから広報を発行する必要があることから、4月28日以降に公開される。
参考 「音」を「文字」で説明する? 音商標の出願手続きの特色(企業法務ニュース)
コメント
今回の公報では、新しいタイプの商標に関する企業の関心の高さが明らかになった。今後も新しいタイプの商標については権利化がすすみ、それに伴い権利行使も活発になると考えられる。その場合、今まで意識しなかった音商標、色彩のみからなる商標等に関する権利侵害を知らずに行ってしまうというリスクは高まる。このような権利侵害のリスクを回避するためにも、今後も新しいタイプの商標の出願状況について注意が必要になる。
商標等の知財分野では、公報のチェックは出願や権利の内容の把握するために必須の手段と言える。しかし、公報の数と内容は膨大であり、その全てをチェックすることは難しい。
企業法務としては、必要な時に適切な情報にアクセスできるように、各種公報の性質やその照会手段についてあらかじめ整理しておくことが必要となるだろう。
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