「音」を「文字」で説明する? 音商標の出願手続きの特色
2015/03/20 知財・ライセンス, 商標関連, 商標法, その他

「音」商標とは
音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標をいう。例えばCMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音などは、音によって商品やサービスの出所を識別させるために使われてきた。
音商標は、このようなビジネスの実態に合わせて「視覚によって認識できる」ものに限られていた商標を広げたものである。
音商標の出願手続きの特色
従来の商標は目で認識できることから、原則として願書に「登録を受けようとする商標」として商標を記載すれば、商標を特定することができた。しかし、耳で認識する音商標はこのような記載では不十分なので、出願手続きにおける大きな違いが2つある。
①「商標登録を受けようとする商標」の記載
文字もしくは五線譜、またはその組み合わせを用いて、商標登録を受けようとする音を特定するために必要な事項を記載する。特に文字による説明では、擬音語・擬態語を使用したり、回数・強弱・音量の変化・テンポを記載する。
文字による記載例:本商標は「パンパン」と2回手を叩く音が聞こえた後に、「ニャオ」と猫の鳴き声が聞こえる構成となっており、全体で3秒間の長さである
②音商標を記録した「物件」の提出
音商標の出願では、音を記録した「物件」を提出しなければならない。
物件に関する注意事項は以下のようなものがある。
・形式がMP3ファイルであること(ビットレートは128kbps又は256kbps)
・CD-RまたはDVD-Rに記録すること(ファイルの変更・削除の防止目的と思われる)
・ファイルサイズが5MB以下であること
・1つのディスクには1出願分の1ファイルのみを記録すること
・ファイル名には出願番号等を用いること
・ラベル面に「商標法第5条第4項の物件」との表題、「事件の表示(出願番号等)」、「出願人の氏名又は名称」を記載すること
コメント
このように、新しい制度である音商標は、手続き面でこれまでの商標とは異なる部分が存在している。また、音の表現・記録方法は技術の進歩によって変化する部分も大きく、今後記載内容や提出物件の内容が変化することは当然考えられる。自社のブランドを音商標の登録によって適切に保護するためには、音の特定方法に注意するとともに、出願手続きに関する今後の情報にも気をつける必要がある。
関連サイト
音商標の出願における音声ファイルのファイル形式等について(特許庁)
新しいタイプの商標の保護制度について(特許庁)
『出願の際の注意事項及び様式(特許庁、PDF:1,628KB)
ホログラムが商標に!!!(企業法務ニュース)
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