ふるさと納税 制度のメリットとデメリット
2014/09/17 税務法務, 租税法, 税法, その他

ふるさと納税
ふるさと納税とは、都道府県・市区町村に対する寄附金のうち2000円を超える部分について、一定限度額まで、所得税、住民税から控除される制度で、2008年に導入された。
ふるさと納税の適用者は2008年から2010年までは約3万人であったが、東日本大震災があった2011年には約74万人と急増した。2012年には約10万人となったものの当初の約3万人よりは高い水準である。
最近は一定額以上の寄付をした者に対して地方特産物を送るなどの特典をつけている地方自治体に多数の寄付が集まるなど注目されている。
ふるさと納税のメリット
地方で育ち東京などの都会で就職し移住する若者は多い。このような場合、地方自治体は教育に投資をしても、納税を受けられないことになる。
一方、地方で育ち都会に居住する者も生まれ育った地方に愛着があり、何かしらの貢献をしたいと考えるものもいる。
ふるさと納税を活用すれば、地方自治体はある程度の収入を得ることができ、地方で生まれ育って都会に居住する者も生まれ育って愛着がある地方に貢献できるというメリットがある。
また当初は想定されていなかったメリットとして、大規模災害が発生した場合に災害地にふるさと納税を利用した寄付金が集まるという点がある。
2011年に発生した東日本大震災では、ふるさと納税が脚光を浴びふるさと納税を利用した被災自治体への寄付金が多数集まった。これにより被災自治体の復興が促進されたと言える。
一定以上の寄付をした者に対して特典を送る自治体が増えているが、これにより地方特産物の良さをPRすることが出来、地方の産業育成にも寄与できる。
ふるさと納税のデメリット
ふるさと納税を利用すると居住地の税金の一部が控除されてしまうので、居住地の地方自治体の収入が減少してしまう。しかし居住地自治体は行政サービスの提供を他の住民と同様に行う必要があることから、通常よりも安い納税額で行政サービスを提供することになり居住地自治体の負担となる。
特に一定以上の寄付をした者に対して特典を送る自治体に寄付をする場合、特典目当てで愛着がない自治体に寄付をする者が多く現れる。
通常のふるさと納税の場合は居住自治体の税収が減少する代わりに寄付先の収入が増えるため、地方自治体全体の収支は変わらない。しかし特典付きの場合寄付先が特典分の支出をするため、居住自治体の税収減少と同じ分寄付先の収入が増えるとは言えない。これにより地方自治体全体の収入が低下してしまう。
さらに地方自治体はふるさと納税のによる寄付を受けるために他の地方自治体より特典を豪華にしたり、ふるさと納税の利用者は特典の内容のみによって寄付先を決定してしまう可能性がある。そうなると、愛着のある地方自治体に貢献するという当初の目的とは異なる運用が行われることになる。
特典にはその地方や特産物をPRできるというメリットがある。しかし過剰な特典の付与が続いたり、ふるさと納税の利用者が特典の内容のみによって寄付先を決定するようであれば規制の必要もあると考える。
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