マツダ、東海ゴムに156億円賠償請求「無償修理は部品が原因」
2014/07/30 訴訟対応, 民事訴訟法, メーカー
事案の概要
2014年6月28日、自動車メーカーのマツダ株式会社が自動車用防振ゴム大手の東海ゴム工業株式会社に対し、約156億8800万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こしたことが分かった。マツダ株式会社は、2009年に国内外で届け出た計約59万台の自動車の回収・無償修理について、東海ゴム製の部品が原因だったと主張している。
マツダ株式会社は、不具合の原因が東海ゴム製の部品にあったとして、2012年に広島簡裁に調停を申し立てたが、今年5月に不成立となった。
コメント
自動車は多数の部品が複雑に絡み合って構成されているため、その不具合を巡って自動車メーカーと部品メーカーが対立することはある。もっとも、通常は、担当者同士の話し合いで解決するため、訴訟に発展することはまずない。今回のケースは、裁判にまで発展した珍しいケースといえる。
部品メーカーである東海ゴムにとって、約156億8800万円という賠償金の額は、2015年3月期の営業利益計画160億円に匹敵するという、巨額の水準となっている。東海ゴムにとって厳しい賠償金額を突き付けられたかたちとなっている。
もっとも、マツダはなぜこのような巨額の損害賠償請求に踏み切ったのか。株主、顧客などの利害関係者に対する説明責任を果たすためと思われるが、マツダ側が敗訴する可能性もあり、調停で済まさずに訴訟を選択したことには疑問が残る。また、マツダにとっても、製品に関する企業秘密を裁判で公開しなければならない事態もあり得るため、リスクはとても大きい。
今後、同様のケースが増えるかどうかは不透明であるが、いずれにしろ、部品メーカーに一種の危機感を植え付けたことは間違いないだろう。
関連コンテンツ
新着情報
- 解説動画
- 岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- ニュース
- 不倫でウエルシアHD社長が辞任/役職員の不倫発覚時の対応策2024.4.26
- NEW
- 女性との不倫判明を受けて、4月17日、ウエルシアホールディングス株式会社は松本忠久社長の辞任を...
- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...
- 業務効率化
- LegalForceキャビネ公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 梅嵜 啓示弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 視聴時間53分
- セミナー
- 田代 洋介弁護士
- 【リアル】知財コンプライアンス入門 -法務担当者向け 法務基礎シリーズ-
- 2024/06/06
- 15:30~17:00