電子出版権設定へ、著作権法改正
2014/03/26 知財・ライセンス, 著作権法, その他

文部科学省は14日、著作権法の一部を改正する法律案を第186回国会に提出した。
本改正案は、インターネット上にアップロードされた海賊版被害が増加している状況を踏まえて、紙媒体のみに認められてきた出版権の対象を電子書籍にも広げ、著作者だけでなく出版社も差止訴訟を提起できるようにすることが主眼となっている。
本稿では、本改正案の概要を確認したい。
著作権法改正案の概要
1.出版権の設定(第79条関係)
著作者が、著作物について、出版権を設定することのできる者につき、従来の「文章又は図画として出版すること」を引き受ける者に加えて、
①「記録媒体に記録された著作物の複製物により頒布すること」(CD-ROM等による出版)
②「記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信を行うこと」(インターネット送信による電子出版)
が追加された。
2.出版権の内容(第80条関係)
出版権者が有する権利についても、従来の「文章又は図画として複製する権利」に加えて、
①「記録媒体に記録された著作物の複製物により頒布する権利」
②「記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信を行う権利」
が追加された。
また、著作物の複製について、出版権者は他人に対しこれを許諾することができないとの規定が、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、許諾することができると改正されたことも注目である。
3.出版権の義務・消滅請求
出版権者の原稿等の引渡しを受けた日から6ヵ月以内に出版する義務や業界の慣行に従い継続して出版する義務につき、電子出版権者も同様にその義務を負うこととなった。
コメント
本法案は、審議段階から何度か法務ニュースでも取り上げてきたものであるが、改正案がまとまり、国会に提出されたため、その概要を確認することとした。本法案が可決されれば、2015年1月1日に施行されることとなる。
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