障害者の雇用機会拡大へ-障害者雇用促進法改正-
2013/08/23 労務法務, 法改正対応, 労働法全般, 法改正, その他

事案の概要
企業に精神障害者の雇用を義務付ける、改正障害者雇用促進法が今年6月13日、衆議院本会議で可決、成立した。
本法は、今年4月にも改正されている。その結果、企業に義務付けられている障害者の法定雇用率(従業員に占める障害者の割合)が、一般企業においては「1.8%」から「2%」へ引き上げられた。また、障害者雇用状況の報告が義務付けられる企業も、その規模として従業員「56人以上」から「50人以上」と変更された。
今回の改正は、上記改正に続いて「雇用の分野における障害者の差別禁止」および「精神障害者の雇用義務付け」を主たる内容とするものである。
以下、改正ポイントをまとめた。
改正ポイント
①障害者に対する差別の禁止
雇用の分野における障害者に対する差別を禁止する。
②合理的配慮の提供義務
事業主に、障害者が職場で働くにあたっての支障を改善するための措置を講ずることを義務付ける。ただし、当該措置が事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなる場合を除く。
③法定雇用率の算定基礎見直し
精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える。
ただし、施行後5年間に限り、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることに伴う法定雇用率の引上げ分について、本来の計算式で算定した率よりも低くすることを可能とする。
この他、上記①②に関して、厚生労働大臣による助言、指導、勧告のほか、紛争解決規定も盛り込まれている。
ただし、こうした改正内容に対応するためには十分な準備期間を設けることが必要である。そこで、①②に関しては2016年4月1日から、③に関しては2018年4月1日からの施行となる。
コメント
改正後の本法は、障害者の雇用機会拡大に貢献し、特に精神障害者の自立や社会進出を促すことが出来る。障害者の方でも、就労意欲がある方は大勢おり、こういった方々を積極的に雇用する傾向にあることは喜ばしいことである。
他方、精神障害者の雇用となると、受け入れ側もかなりの準備及び理解が必要となってくることと考えられる。しかし、本人の意欲、希望に応じて能力を発揮できるようにする等、やり方次第で生産性の向上につながり、企業にとってもメリットがあるのではないだろうか。
障害者を雇用する場合、要件を満たせば助成金を受給できることにもなる。しかし、要件が厳しく、また仮に要件を満たしたとしても財源に限りがあって支給されないケースも多いと聞く。法改正も大事であるが、義務付けをもって企業を縛るばかりではなく、助成制度の要件緩和や増額等にも力をいれ、企業が安心して障害者の方を雇えるような制度設計も今後、重要な課題として残されている。
いずれにしろ本法および関連制度の今後の動きに注目し、早めの対応が出来るようにしたい。
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