10月以降、値下げ要請は、違反行為となる恐れあり!
2013/07/16 税務法務, 租税法, 税法, その他

事案の概要
消費税転嫁対策特別措置法が、10月1日に施行される。同法は、消費税の転嫁を拒む買いたたきなどの行為を禁止する。公正取引委員会は、買いたたきなどの判断基準について、法施行前にガイドラインを設ける予定である。
しかし、買いたたきについては、その判断基準が曖昧であり、公取委の裁量の余地が大きくなりやすいことが懸念されている。商品の価格に、消費増税分が上乗せされなかった場合、その理由が、①売り手の努力によるものか、②買い手の買いたたきによるものか、見極めるのは困難である。
公取委の杉本和行委員長の国会答弁によれば、「自由な価格交渉の結果と認められる特段の事情のない限り、消費税の転嫁を拒む買いたたきに該当すると考え」られる。
小売業者などの買い手に違反行為があった場合には、公取委が勧告し、社名が公表されることとなっている。また、買いたたきでないことの立証責任は買い手が負う。
そこで、買い手側の対策が問題となる。しかし、買い手が大規模小売事業者である場合など、売り手よりも優位な立場にある場合には、買い手が売り手に頼んで、当該価格が双方の十分な協議の末に決まったものであるとの書面を残してもらうことは、証明にはならず、意味がない。なぜなら、買い手が売り手にそれを強制したとみなされるからである。
知識
■消費税転嫁対策特別措置法■
2014年4月と2015年10月に予定されている消費増税について、消費税の円滑、適正な転嫁を目的とした法律。13年6月5日に成立であり、17年3月末で効力を失う。届出制で転嫁カルテルを認める特別措置なども盛り込まれている。
コメント
消費税率が引き上げられた際、大手販売店が消費税還元をうたった安売りセールのために仕入れ価格を抑えれば、中小零細の納入業者に税負担がしわ寄せされる恐れがある。そこで、売り手保護は急務である。
ただ、価格交渉の制約を強めすぎると、逆に、売り手の弱者としての地位が固定化される恐れがある。また、小売業者が納入業者に値引き協力をすれば、集客力が上がる等の効果もある。
そこで、企業としては、公取委の運用動向に慎重に配慮して、10月以降に自社が行う価格交渉が違法とならないよう、細心の注意を払うべきである。まずは、公取委のガイドラインに注目したい。
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