三菱自動車、外部有識者による「改革諮問委員会」設置へ
2013/06/24   コンプライアンス, 民法・商法, メーカー

事案の概要

 オイル漏れする軽自動車のリコールに消極的として国土交通省から厳重注意、及び立ち入り検査受けたことに対して、三菱自動車は「改革諮問委員会」を設置し、7月に第1回会合を開催することを発表した。同委員会のメンバーには、元最高検察庁次長検事の伊藤鉄男弁護士、消費生活研究所の土田あつ子主任研究員、JR貨物の縄野克彦社長、ローソンの新浪剛史CEOの4名が就任する。
 三菱自動車は、軽自動車のエンジンオイル漏れの不具合情報を2005年に把握しながら重視せず、2010年11月まで5年間にわたりリコールの届出を行わなかった。その上、国土交通省にはオイルの漏れ方を仮称に評価した説明をするとう、対応に不適切な点があり、昨年12月25日、東京港区の同社本社や愛知県岡崎市の品質要活本部等に道路運送車両法に基づく国土交通省による立ち入り検査を受けている。

コメント

 三菱自動車は、過去に大きく分けて2度の不祥事を起こしている。1つは2000年7月に、1970年代から30年間にわたって約60万代のリコール情報を届け出ず、隠蔽していたことが内部告発によって発覚した。2つめは、2002年1月に同社のトラックのハブが欠落し、タイヤが脱輪、母子3人を死傷させる事故を起こしている。同事故については、リコールの届出を迅速に行っていれば、防止できたとして担当幹部が最高裁にて有罪判決を受けている。過去にこうしてリコール制度という国民の生命を守るために必要な仕組みの信頼を損ねた同社の責任は、非常に重い。
 今や車抜きの生活が考えられないほど、車は私たちの生活に密着している。しかし、一方で車は「走る凶器」とも言われるほどの破壊力を持ち、構造上の欠陥や使用法の誤りにより人々の身体、生命を脅かすものとなる。そこで、欠陥を企業が自ら認め、回収、修理を行うことで企業及び製品の信頼を取り戻す。そのようなことを企業側が理解し、自発的に行うことがリコール制度の基本であり、本質である。しかし、リコールに対して消極的な態度で臨んでいては、リコール制度の本質を覆すことになる。大きなものから、小さなものまで、問題が起きない企業はない。大事なことは、問題を外からわからなくなるよう隠すことではなく、それを処理する能力を示すことであり、企業が信頼を得るための最短ルートであると考える。今回の諮問委員会の設置を機に、同社には今までの企業風土と決別することを、切に願うばかりである。
 因みに、上に述べた同社の不祥事続出を受け、2004年に取締役会の諮問機関として、社外の有識者を集めた企業倫理委員会を設置している。諮問委員会の設置による、リコール隠蔽体質の改善に期待を寄せる一方、この企業倫理委員会がきちんと機能していたかどうかの検証も必要なのではないだろうか。

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