児童ポルノ禁止法改正案 衆院に提出
2013/05/30 法務相談一般, 刑事法, その他

事案の概要
自民・公明・維新は、29日、児童ポルノ禁止法改正案を衆議院に共同提出した。
改正案では、現行法では規制されていない単純所持を禁止。「自己の性的好奇心を満たす目的」で所持した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰則を設けられている。
同改正案に対しては、日本雑誌協会と日本書籍出版協会が、表現の自由を規制する方向に進んでいるとして反対の声明を発表している。
同法の「児童ポルノ」の定義が曖昧な上、単純所持禁止の要件に加わった「みだりに」「性的好奇心を満たす目的で」といった基準も不明確と指摘。さらに付則に漫画・アニメにまで法規制を及ぼす条項があるとし、「日本の貴重な漫画文化が破壊される危険性が非常に高い」と批判した。
コメント
児童ポルノの単純所持等の禁止については、これまで京都府や奈良県など一部の自治体が条例で禁止している例を除き、これを規制する立法はなかった。
児童を性的搾取から守ることは当然必要なことであり、今回の改正案のような方向性で改正すること自体には、それほど異論はなかろう。
ただ出版業界が指摘しているように、改正案は内容的に必ずしも明確でない部分があり、どこまでが規制対象となるか、曖昧な部分も確かにある。この手の議論で、漫画家などがよく主張していることであるが、法律が恣意的に運用され、合法だと思われていた漫画やアニメにおける性的な描写が罰則の対象になる可能性もないではない。
漫画等における描写が、児童の搾取と関連性があるならば、表現の自由と言えど、一定の規制受けることもやむを得ないであろう。逆に、関連性がないにもかかわらず、これを規制するとなると、表現の自由に対する過度な規制になる可能性があろう。
児童保護という立法目的からすると、規制範囲を広くするに越したことはない。漫画やアニメの芸術的価値をどう捉えるかは人それぞれであり、中には、一般には受け入れがたい内容のものも存在するのも事実である。ただ、一般論として、表現活動それ自体は尊重されるべきであり、いずれにせよ、表現活動一般を萎縮させることのないよう、規制範囲を明確にする形で立法する必要があろう。
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