夜通しダンスができる日も近い?
2013/05/28 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
風営法の取り締まり強化により、クラブの摘発が相次いでいる。一方で風営法改正を求める動きも活発化している。
警視庁は27日までに、東京都六本木でナイトクラブを無許可営業したとして、クラブ経営者ら3人を風営法違反の容疑で逮捕した。同容疑者らは、26日午前2時頃、港区六本木のビル内で、風営法の営業許可を受けずに、客にダンスをさせ、飲食させた疑い。風営法上、クラブは午前1時以降営業することはできないが、同クラブは、営業時間に制限のない飲食店の届出のみで午前5時まで営業していたという。
摘発強化の余波により、公民館のダンス教室が中止に追い込まれるなどの影響も生じているという。風営法違反になる恐れがあるとして、会場利用の制限がなされる場合もあるのだ。
こうした流れの中で、風営法改正の議論が高まっている。クラブ経営者らでつくる「Let's DANCE署名推進委員会」(事務局、京都市)は、1年間で15万以上の署名を集めた。
また、超党派の国会議員約60人は、「ダンス文化推進議員連盟」を20日発足させた。参院選後の臨時国会への風営法改正案提出を目指すという。
コメント
クラブの営業は風営法上、営業許可が必要であり、営業時間も制限がなされている。これは、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する 」という風営法の理念に根ざしている。(風営法1条)
上記のような改正議論がより多くの支持を集めるためには、クラブが風営法の理念を阻害するものではないということを説得的に論じる必要がある。
その中で、ハードルとなりそうなのが、クラブにつきまとう「マイナスのイメージ」であろう。クラブといえば、そこで薬物の売買が行われていたり、暴力沙汰や騒音問題などトラブルが多いのではないかという、マイナスのイメージを抱いている人は多いでのはないか。それは、ごく一部のクラブであるという反論もあるだろうが、多くの人はそう思ってはいないであろう。
一方で欧米では、クラブシーンから有名な歌手やアーティストが出現するなど、文化の発信としての可能性を秘めているのも事実である。日本も「クール・ジャパン」を掲げるのでれば、戦略的にクラブを活用するのも手だろう。
そのためには、クラブ関係者たちが、積極的に、クラブのマイナスイメージを払拭する措置を講じていくことが必要となる。
参考条文
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 」
(用語の意義)
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
三 ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業
(営業の許可)
第三条 風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
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